リハビリと聞くと、「歩くこと」を目標とするイメージを持たれるかもしれません。しかしリハビリの目的や進め方は、病院と在宅で異なります。それぞれのどのような特徴あるのでしょうか。本記事では、居宅介護支援や訪問看護を提供する(株)一期一会の代表であり、看護師の安田由加理氏による著書『過疎地域の福祉革命』(幻冬舎メディアコンサルティング)から一部を抜粋・再編集し解説します。
小さな動作の可不可がもたらす、大きな影響
例えば車椅子に座れるかどうかで、一般的な車で移動できるかどうかが変わってきます。車椅子に座ることができない場合は移動のときにストレッチャーなどが必要になるため、介護タクシーなどを使わなければまず移動できません。また、車椅子に乗ることができれば自宅に戻ってからも外に出ることができます。しかし、車椅子に乗ることができなければよほどのことがない限り、自宅から外へ出ることは難しくなります。
座る姿勢を維持できるかどうかも、その人の生活を大きく左右します。座った姿勢を維持できなければ、基本はベッド上で寝たまま過ごすことになります。座る姿勢を維持できるのか、寝たままの姿勢しかできないのかでできることには雲泥の差があります。座ることができなければ、入浴も寝たままの姿勢でしなければならないため訪問入浴サービスが必要になります。
あるいは座ることができるとしても、ベッドから車椅子への移動にどの程度のサポートが必要かによってもサービスは変わってきます。自宅にいる妻1人のサポートで車椅子への移動ができるならば、それほど多くの訪問サービスは要らないかもしれません。
反対に、2人がかりでなければ車椅子に座ることができないとしたら、訪問介護や訪問看護が入っている時間帯に車椅子へ移動させて、その間に座って食事をすませるなどサービスを組み立てる必要があります。
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株式会社一期一会
看護師
高校卒業後に、早く自立して生活したいという思いが強いことから、看護師である実母の影響もあり看護専門学校へ入学。1992年4月に正看護師の資格を取得し、京都府済生会病院、姫路赤十字病院にて外科、脳外科、心臓血管外科で勤務。その後、子育てのために一時仕事を離れる。2002年5月より石橋内科・広畑センチュリー病院にて通所リハビリテーション、通所介護に勤務。そこで初めて介護保険サービスに関わり、医療現場と在宅医療の根本的な考えの違いを知り、在宅介護の面白さに気づく。地域での認知症啓発事業にさらに携わりたいと思い、2017年1月より兵庫県たつの市役所の地域包括支援課に勤務、2019年12月3日、株式会社一期一会を設立し現在に至る。
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連載超高齢社会の過疎地域で「誰も取り残さない」ケア