声が出にくい、変になる理由
なぜか声が出ない、喉が痛くて声が出ない、大声で歌ったら声が出ない、高い声が出なくなった。時折声のトラブルで受診する人がいます。会社員や主婦、学校の先生、芸人、歌手、ライブ間近の声優、思い出せば、さまざまな人のさまざまなシチュエーションでいくつかの疾患がありました。一人ひとり、オンリーワンの人生を歩んでいるなあと、今思い起こすと感じます。
声が出にくくなる原因はいくつかあります。軽い病気もあれば重い病気もあります。片方の声帯が動かなくなると、危険なものではないかを調べるために、甲状腺や胸の真ん中の上のほうを確認しないといけなくなります。声帯やその周囲に悪いものや怪しいものがあったり、物理的な刺激で声帯が膨れていたり、乾燥して声帯に隙間ができてしまっていたり。何が起こっているかは、ファイバーで声帯を確認しないと分かりません。声帯専門の先生たちは、さらに高度に声帯の動きをストロボスコピーのような動画にできる医療機器を使用するようです。
声帯の仕組み
声は空気の通り道である気道を通って口から出てきますが、その際、首のちょうど真ん中あたりにある声帯は閉じた状態になります。気道の左右にある声帯は、呼吸時には離れて気道を広げ、声を出すときには左右がピタッと閉じて振動します。その振動数によって高い声や低い声を使い分けることができるのです。
ところが声帯に炎症が起きてむくんでいると、左右の声帯がダボダボと振動することになり、だみ声みたいになったりします。声帯の一部が腫れたり、声帯が乾燥したりすると、完全に閉じ切らず声帯の触れ合わないといけない部分の一部に隙間があいてしまったりします。すると、声がかすれる、声が出ない、声が低くなってしまうなどの症状が現れます。
なんのきっかけもなく声の異常が出るときは、声帯が乾燥していたら、保湿、鼻呼吸を推奨します。口呼吸になるとより声帯まで乾燥しそうな印象があります。
