熱があって、喉が痛い→「風邪かな…?」の思い込みはリスク。小さな異変を見逃さない、悪化させないための<症状に合わせた診療科受診>のすすめ【耳鼻科咽喉科医が解説】

熱があって、喉が痛い→「風邪かな…?」の思い込みはリスク。小さな異変を見逃さない、悪化させないための<症状に合わせた診療科受診>のすすめ【耳鼻科咽喉科医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

インターネットやSNSの普及によって、私たちは日常的に膨大な情報に触れるようになりました。さまざまな情報が瞬時に手に入るようになった半面、不正確なものや誤解を招くようなものも混在しており、ユーザーには情報を選別するメディアリテラシーが求められます。特に医療分野は、誤った情報を掴むと取返しのつかない事態を招きかねません。本記事では、医師の小田切恵三郎氏による著書『真に受けると損をする 医療常識のうそ? ほんと?30』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、のどの痛みに関する情報の真偽について解説します。

風邪?

喉がイガイガする、ヒリヒリする、唾を飲み込むと痛いなど、喉に違和感を覚えると、たいていの人は「風邪をひいたかな?」と疑います。内科クリニックに行くと、聴診器で胸の音を聞き、口を「あーん」、医師は口の中をのぞき込みます。

 

そして「風邪ですね」と、診断を下し、喉の炎症を抑える薬や咳を止める薬が処方されます。そして、患者さんも「ああ、風邪ですね」と納得して帰ります。この流れ、とてもよくあるのですが、それでいいのかな?なんて思ってしまいます。何も分からないまますべてがあいまいで、何も解決していないのに、皆が納得してとても会話がうまく進みます。「風邪」ってつくづく魔法の言葉だと思います。

 

「風邪っぽい」症状を分けて考える

皆さんが「風邪っぽい」と感じる症状を具体的に一つひとつ分けて考えるのがよいと思っています。くしゃみ、鼻水、喉の痛み、咳といった呼吸器の症状、発熱やだるさ、関節の痛み、頭痛などの全身の症状、嘔吐や下痢などの消化器症状。私は各症状を一つひとつ分けて考え、問題点とニーズをはっきりとさせてより良い解答が得られるようにしています。

 

口を開けて「喉が赤いですね」と言われるのはよくある診察風景だと思います。でも、口を「あーん」と開けても、診断に必要な喉の部分は見えないことが多いのです。口を開ければ喉がすべて見えているというのは錯覚、勘違い…言い方はなんでもよいのですが、とにかく十分なデータを確認できたとはいえません。

 

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※本連載は、小田切恵三郎氏による著書『真に受けると損をする 医療常識のうそ? ほんと?30』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです

真に受けると損をする 医療常識のうそ? ほんと?30

真に受けると損をする 医療常識のうそ? ほんと?30

小田切 恵三郎

幻冬舎メディアコンサルティング

インターネットやSNSの普及によって、私たちの日常には膨大な情報があふれかえるようになりました。さまざまな情報が瞬時に手に入るようになった半面、その中には不正確なものや誤解を招くようなものも含まれています。著者に…

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