(※写真はイメージです/PIXTA)

インターネットやSNSの普及によって、私たちは日常的に膨大な情報に触れるようになりました。さまざまな情報が瞬時に手に入るようになった半面、不正確なものや誤解を招くようなものも混在しており、ユーザーには情報を選別するメディアリテラシーが求められます。特に医療分野は、誤った情報を掴むと取返しのつかない事態を招きかねません。本記事では、医師の小田切恵三郎氏による著書『真に受けると損をする 医療常識のうそ? ほんと?30』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、子どもの中耳炎リスクに関する情報の真偽について解説します。

子どもの中耳炎には2種類ある

私たちの耳の中は外耳、中耳、内耳と3つのエリアに分かれています。中耳は鼓膜の裏側の空間にあたり、この部分にウイルスや細菌による炎症が起きて膿が溜まると中耳炎と呼ばれます。発熱、耳垂れ、聞こえが悪くなる、めまいなどの症状が出ますが、子どもの場合には先にウイルスによる感染症にかかり、その後に中耳炎を併発するケースが少なくありません。

 

私は、耳管という管が開いていれば中耳の液体が抜けていくはず、つまり、急性中耳炎、滲出性中耳炎のときは耳管が開かないで詰まっているはずだ、と考えています。

 

子どもの中耳炎には、急性中耳炎と滲出性中耳炎の2種類があります。

 

急性中耳炎の場合、膿が中耳の中でいっぱいになり、鼓膜を圧迫します。鼓膜は、側頭骨という頭蓋骨に直接ついているようなものなので、それがはがされるかのように圧迫されると、頭全体が痛いような痛みが出てもおかしくはありません。さらに圧力が増してくると頭蓋骨に菌が侵入しようとしているようなものですから、体は必死になって抵抗しようと、高熱でばい菌を倒そうとします。耳管という管が開いて喉のほうにばい菌や圧力が抜けてくれれば中耳炎は治ります。

 

鼓膜に穴が開いて、耳から膿が出てくることもあります。そうすると、見た目は気持ち悪いし、なんとなく心配になるお父さんお母さんもいらっしゃいますが、中耳の中の圧力が抜けるので、本人にとっては痛みをはじめさまざまな苦痛がなくなって楽になっているはずです。

 

急性中耳炎は頭蓋骨の中の空間の細菌感染、と考えると、私としては、抗生剤を使わないという選択肢はありません。

 

急性中耳炎のときは鼻水をかむと痛みが悪化しやすいので、鼻水をかむときは優しく優しくしてくださいね。

耳ぬきで解決できる中耳炎

一方、耳に水が溜まったままでいる状態を、滲出性中耳炎といいます。

 

これは痛くありません。耳管という管がふさがっているので、中耳から水が抜けない状態です。耳管が開いたら治る印象があります。そのためには鼻かみや適度な耳ぬきをすると効果があります。

 

耳ぬきは、鼻を押さえて、ゆっくりゆっくり鼻をかむように圧力を上げていきます。耳がボコッと、むわっとしたら手を放します。いきなり強くすると鼓膜に急激な力が加わって、かえって耳が痛くなりますから、ゆっくりゆっくりがいいです。

 

耳ぬきが成功すると3つの良いことがあります。1つ目は、硬くてふさがっていた耳管が開くこと。2つ目は、空気が中耳に入り鼓膜が外側に膨らんで水面が下がるので、多少聴こえが良くなること。そして3つ目は、プッチンプリンのように空気が耳管から抜けようとするとき、中の水も抜けやすくなることです。

 

スキューバダイビングでは耳ぬきは必須の操作です。印象的なダイバーがいました。普通耳ぬきは、耳に圧をかけて膨らませるだけなのですが、この人は逆に鼓膜をへこませることも自由自在にされていました。達人だ、なんて驚きました。

 

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※本連載は、小田切恵三郎氏による著書『真に受けると損をする 医療常識のうそ? ほんと?30』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです

真に受けると損をする 医療常識のうそ? ほんと?30

真に受けると損をする 医療常識のうそ? ほんと?30

小田切 恵三郎

幻冬舎メディアコンサルティング

インターネットやSNSの普及によって、私たちの日常には膨大な情報があふれかえるようになりました。さまざまな情報が瞬時に手に入るようになった半面、その中には不正確なものや誤解を招くようなものも含まれています。著者に…

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