今週の注目点…米金利低下がさらに広がるか
こういったなかで先週の米ドル/円は約2ヵ月ぶりに足下で152.2円の52週MA(移動平均線)を下回ってきました(図表5参照)。
米ドル/円は2024年夏に一時139円まで下落が拡大するなかで52週MAを大きく下回り、経験的には下落(米ドル安・円高)トレンドへ転換した可能性が浮上しました。
そうであれば、経験的にはトレンドと逆行する一時的な上昇は52週MAを1ヵ月以上といった具合に「長く」、5%以上といった具合に「大きく」上回らない程度にとどまる可能性が高いところ、その意味では今回は異例といえるほど「長く」52週MA以上での推移が続きました。それはやはりトランプ大統領の経済政策の影響が大きかったということだったのでしょう。
それでも改めて、米ドル/円が52週MAを下回ってきたことで、イレギュラーながら下落トレンドへの転換は間違っていなかったと考えるなら、この先はトレンドと逆行する一時的な上昇は52週MAを大きく長く上回らない程度にとどまり、一段安へ向かう見通しとなるでしょう。
今週はCPI(消費者物価指数)など注目度の高い米経済指標の発表が多く予定されています。それらの結果を受けて、すでに見てきたように米金利が「上がり過ぎ」修正局面にあるとの私の見方が正しいとするなら、米金利低下がどこまで広がるかが焦点になるでしょう。以上を踏まえ、今週の米ドル/円は149~153円中心で予想したいと思います。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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