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本当の「自由」とは？

人間は自由を求める存在です。ではこの自由とはなんでしょうか？

一般的には、人間が制約や束縛から離れ、自己決定や自己表現を享受できる状態を表すもの、つまり、なににも縛られず、思いのままに生きることをいいます。こうして見ると自己中心的で勝手気ままな振る舞いがイメージされます。現在の「自由」は英語の「Freedom」のような一切の束縛や拘束から放たれた解放的な印象に近いでしょう。

しかし、本当の自由とは神様が創ったこの世界の法則、真実を知ることです。つまり、「私たちを創ったのは神様である」ということを知ることです。

あなたが抱く悪や罪の意識は、実はあなた自身が勝手に判断しているだけです。もしくは、常識や固定観念によって、思い込んでいるに過ぎません。神様は、決して善悪を判断したり、罰を与えたりすることはありません。神様はこの世界になんの制限も規則も課していないのです。まずはその事実をしっかりと知ることが、自由の始まりです。

例えば子どもの頃、男性なら女性の体に興味をもち、性的な心になってモヤモヤする自分の心を、汚らしく不潔なものだと苦しむ時期があると思います。

しかし大人になるとその心（欲望）が当たり前の心なのだと分かります。罪の意識も、汚いという感覚も、もつ必要がない当たり前の人間の心だと受け入れ、認めることができます。つまり罪の意識、汚いという感覚から解放されたのです。その時点で、一つ自由を手に入れたといえるのです。

人間は「知る」ことで自由になります。教えがなぜ大切なのか？　救いとなるのか？　それは人の心を解放し、自由にするからです。自分自身が作り出した悪・罪、人が言う悪・罪が、本当に悪・罪になるのかといえば、決してそうではありません。

例えば親友と呼べる人が事業に成功したとして、あなたは初めは心から成功を喜びます。しかし、親友の服装がブランドものに変わったり、車が変わったり、家に招待され裕福な暮らしを見たときに、心のどこかで妬む心が出てきて、「落ちればいいのに」とふと一瞬心からその言葉が湧いてきたとします。

あなたは一瞬だけでもそう思ってしまった自分が恥ずかしく、汚い、最低だと思ってしまうかもしれません。そして、そう思ってしまうことが悪だ、罪だと感じるかもしれません。

しかし、そんなあなたに「罪ではない」と言えるのが教えです。誰だって醜い感情を抱くことはあります。神様・仏様は、人間の感情や欲望を否定しているわけではなく、受け入れたうえで「その後どうするか？」を問うているのです。相手を陥れる行動に出るのか、悔しさや羨ましさを原動力に行動し、自らも理想を目指すのか、その選択を下すのは、自分自身です。

ですから悪い心や醜い感情を抱くこと自体は、悪でも罪でもありません。「これも人間の当たり前の心なんだ」と、この世界の法則を受け入れ、悪や罪の意識から解放されることこそが、本当の自由なのです。

特に選択肢が多い現代では、自由に生きることは簡単そうに思われますが、実はとても難しいことです。就職、学校、買い物、恋人、趣味……昔と比べて格段に情報や選択肢が増え、気軽に自由な選択ができるようになりました。

しかし、選択肢は多ければ多いほど意思決定の場面も増えていきます。数ある情報のなかから処理し、決断しなければなりません。これは脳にとって最もエネルギーを使うことだそうです。多くの選択肢を前に混乱し、迷い悩み苦しんでしまうのが人間の性質です。

つまり、私たち人間は選択肢が増えたからといって自由になれる（豊かになれる）わけではないのです。大切なのは自分の意志によって決めた道を信じ続けることです。なにを選ぶかよりも、選んだ道でなにをするかが重要です。

人は物質的に豊かに・自由になるほど、精神的に不自由になるのかもしれません。社会が成熟し、物質的に満たされた私たち現代人が目指すべきは、精神的な豊かさ（＝自由）のある人生であると、私は考えます。

沼田法海

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