「印象」についてこれだけは知っておく
ここまで「印象」という言葉を多く使ってきました。ここで「印象」とは何かを改めて確認しておきましょう。「印象」は誰もが知る言葉ですが、その意味は意外ときちんと知られていません。適切な印象を人に与えるためにはそれについてよく知る必要があります。
まず、多くの人は「印象」を「第一印象」と同じく、最初だけに必要なことだと考えがちです。また、人の容姿や服装など視覚だけにもとづいたものと漠然と思っている人も少なくありません。しかし、それは誤りです。
印象とは、人が対象物について五感を通じて取り込んだ情報を自分の脳で感知し、それによって生まれる反応のこと。つまり、最初だけでなく、日常生活の中でつねに生まれており、視覚だけでなく五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)のすべてから得た情報により形成されるものです。もちろん、視覚はその中でもかなり大きな役割を果たしますが、ほかの感覚も働いていることを忘れないでください。
印象は、思考よりも迅速に生まれる認知です。脳は五感からの情報をほとんどの場合、瞬時に処理するからです。その処理結果は無意識のうちに初期の評価を形成して、思考や判断などのもとになります。その間わずか3秒程度と言われています。
つまりあなたが誰か人に会えば、3秒のうちにあなたの外見や服装、声や話し方、動き、体臭などまでパッと判定が行われ、それをもとに「信頼できそうな人」「できなさそうな人」と思考が分かれていくのです。無意識のうちなので、印象を感じた本人も知覚しないまま思考や判断がその印象に影響されていきます。
ですから「今日はたまたま……」などの言い訳をあとから言葉でしても何にもなりません。日ごろから自分にとって適切であるように考える、それが自分が人に与える印象に関しての正しい態度だと覚えておいてください。
印象を正しく理解して日ごろから気をつける
