(※写真はイメージです/PIXTA)

「会計処理の工夫」次第で、決算書の見栄えが圧倒的によくなり、銀行からの融資を受けやすくなるといった事例は実はたくさん存在します。「何の損失をどの位置で引くか」といった会計処理上のちょっとした工夫が、銀行評価に大きな影響を与えるのです。本記事では、菅原由一氏の『改訂版 激レア 資金繰りテクニック50』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集し、税理士の目線から、決算書の見栄えをよくする会計処理の工夫の仕方について解説します。

経営セーフティ共済でリターンを狙え

資金繰りと節税を兼ねた施策として、生命保険に加入する人は多い。保険料を損金にして(保険料の50%までを損金に算入するなど)経費を作るというやり方である。それも節税手法の一つだが、あまりオススメしない。

 

なぜなら、生命保険は満期前に解約すると返戻金が減るのが一般的。解約時の解約返戻率が8割だった場合、掛金の8割しか戻らない。

 

そこで検討したいのが、経営セーフティ共済。中小企業倒産防止共済制度とも呼ばれるもので、小規模企業共済と同様に、中小機構が運営している制度。取引先の事業者が倒産した際に、連鎖倒産や経営難に陥るのを防ぐためのもの。

 

特徴は2つ。1つは、担保なし、保証人なしで、回収困難になった売掛金や債権の額か、掛金の10倍(上限8000万円)まで借り入れることができること。もう1つは、掛金を月5000円から20万円の間で設定でき、掛金を損金(個人事業主の場合は必要経費)にできるため、節税効果も見込めること。

 

生命保険と比較しよう。生命保険は解約返戻率のピークの時期に解約しないと、目減り額が大きくなるが、中小企業倒産防止共済は契約開始時から40 カ月以降であれば、いつ解約しても掛金が100%戻ってくる。その点で、生命保険よりも使い勝手がいい。さらに、掛金は前納をすると若干だが割引が受けられる。そのため40カ月以降に解約すると、掛金が実質100%を超えて返ってくるのだ! 

 

2024年の税制改正で、一度解約すると2年を経過する日まで損金に算入することができなくなったが、それでも十分使いやすい制度だろう。

 

 

菅原 由一

SMG税理士事務所 代表税理士

SMGグループ CEO

SMG菅原経営株式会社 代表取締役

 

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※本連載は、菅原由一氏の著書『改訂版 激レア 資金繰りテクニック50』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

改訂版 激レア 資金繰りテクニック50

改訂版 激レア 資金繰りテクニック50

菅原 由一

幻冬舎メディアコンサルティング

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