(※写真はイメージです/PIXTA)

近年、S&P500や全世界株式への投資が注目されるなか、富裕層の間で「今こそ日本のマーケットに注目すべき」という声が増えています。一体なぜ、富裕層は今、日本株に目を向けているのでしょうか。田中渓氏の著書『億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド』(徳間書店)より一部抜粋・再編集し、詳しく解説します。

富裕層があえて今、日本のマーケットに注目する理由

人気の投資としてS&P500やオルカンが注目されていると前述しました。日本以外の投資、とくに「これまで順調に上がっているアメリカに投資をしよう」「世界中の株式の分散投資をしよう」という流れがある一方で、「いやいや、日本だって今、面白いマーケットになっていますよ」という富裕層たちの意見もあります。

 

日本の株式マーケットは20年以上の長きに亙り停滞していることを背景に、「だから今こそS&P500・オルカン投資」となっていたわけですが、言い方を変えると日本の株式マーケットは「安い」状態のまま放置されてきた、ともいえます。

 

さまざまな理由がありますが、企業が株価や株主を意識した経営をおこなわず、透明なコーポレートガバナンスが機能していない、企業が企業の株を持ち合っていることで市場に出回らない、本業に無関係な不動産などの資産を抱えたまま売らないため資産効率・資本効率が悪い(所謂PBR問題)、などです。

 

結果として、諸外国と比較して株式市場の透明性や健全性が低いということを問題視して、東京証券取引所による「『資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応』」などをはじめさまざまな対策をとっているのが現状です。

投資において富裕層が採用する2つの論調

投資は相対的なものなので、「S&P500やオルカン」のように「今も健全かもしれないが、今後成長していく(株価が上がる)可能性」にかけるだけでなく「今が圧倒的に安いので、その状況が改善される(株価が上がる)」という、軸があることを理解しておく必要があります。

 

アメリカ株の成長性は否定しないものの、日本株が今は割安になっているということについて注視している、ということです。

 

それは、富裕層はいつでも次のように両輪で物事を見ているからです。

 

1.成長投資、グロース投資をせよ

 

2.割安投資、バリュー投資をせよ

 

富裕層はこれらの2つの論調のどちらかを採用するのではなく、両方をとりにいきます。つまり、これから成長が見込める株も買えばいいし、明らかにお買い得ならそちらの株も買えばいい、ということです。

 

僕自身、日本株も正しく目利きをすれば儲けるチャンスは相応にあると思っています。日本人としてマーケットのことを勉強し、経験値や手腕を身につけたいと考えるなら、いきなり外国株ではなく、言語やルール、文化や風土を熟知している日本という国の株式投資に挑戦してみてもいいのではないでしょうか。

 

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※本連載は、田中渓氏の著書『億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド』(徳間書店)より一部を抜粋・再編集したものです。

億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド

億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド

田中 渓

徳間書店

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