億を生む意思決定では、「確実性」よりも「スピード感」を優先する必要があります。「速くて正しい」ことがベストではありますが、「速くて間違っている」と「遅くて正しい」では、果たしてどちらの方が良いでしょうか。本記事では、田中渓氏の著書『億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド』(徳間書店)より一部抜粋・再編集し、意思決定のスピード感と確実性について詳しく解説します。
最優先すべきは「確実性」より「スピード感」
富裕層が「意思決定」と同じくらい大切にしているものが「スピード感」です。
つまり、意思決定×スピード感の結果でもある「とにかく速く決めること」は最強の武器だということです。これは投資においても、日々の仕事についても同じです。
では、「とにかく速く決めること」が最強だとして、そこに「確実性」という軸が加わったとします。確実性を「正しいかor間違っているか」だとすると、選択肢は次の4つになります。
1.速くて正しい
2.速くて間違っている
3.遅くて正しい
4.遅くて間違っている
もちろん、ベストな解は「1.速くて正しい」ですし、ワーストの「4.遅くて間違っている」は論外です。問題になるのは、二番手に来るのが「2.速くて間違っている」なのか「3.遅くて正しい」なのかということです。
富裕層が二番手として選択するのは「2.速くて間違っている」。たとえ判断が間違っていても速く決めることのほうが大事。確実性よりスピード感を重視します。「3.遅くて正しい」のは、間違ったことはしていないだけで凡人庸です。正解でもデッドラインを超えてしまっていたら0点ということすらあり得ます。億を手にしたいなら、とにかく速さを求めます。そして、圧倒的な量をこなします。
意思決定は速いけれど判断を間違ってしまう人は、失敗の積み重ねで判断の精度を上げていけばいいんです。間違えたら軌道修正をすれば、その分学習し、経験値を積んだだけ成長も見込めます。
スピード、量、質の3つの要素の優先順位付け、と言い換えることもできます。多くの人は「頑張っていいものを見せたい」と質を優先してしまいがちですが、とくに経験が浅い頃は、いきなり高い質のものを求めても限界があります。時間効率も悪いので、とにかく圧倒的なスピードで、死ぬほど量を重ねる。質は、結果としてついてくるものだと思っておけばいいと思います。
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投資家
1982年 横浜出身。上智大学 理工学部物理学科卒業。学科首席として表彰を受け同大学院に進学し、外資系の世界を目指し始め急遽渡米。ビジネスセミナー「CVS Leadership Institute」に参加し個人優勝、チーム優勝を果たす。
大学院中退後53回の面接を経て、ゴールドマン・サックス証券株式会社に2007年に新卒入社。間もなくリーマンショックでボーナスゼロ、大幅減給、在籍部署の9割人員削減のどん底を経験。ドラマ「ハゲタカ」の舞台になった投資部門であらゆる投資を行う。500件以上の投資案件に携わり、60件以上の投資案件を実行。投資規模は投資金額ベースで約4,000億円、企業価値・資産価値ベースで1.2兆円を超える。同社でマネージング・ディレクターに就任し、投資部門の日本共同統括を務め、2024年に同社を退社。
在籍17年間で20ヵ国以上の社内外300人を超える「億円」資産家、「兆円」資産家、産油国の王族など超富豪などと協業・交流をする中で、富裕層の哲学や思考、習慣などに触れ、その生態系を学ぶ。退社後は少数精鋭の投資会社にて勤務。同社の不動産投資の責任者を務める。
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連載『億までの人 億からの人』ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド