(※写真はイメージです/PIXTA)

エリートと呼ばれるほど収入が十分にあり、堅実な返済比率に収めた場合であっても、住宅ローンの審査に通らないケースがあります。それはいったいどのような場合に起こりえるのか、具体的な事例をもとに、その理由とマイホームの購入が起因して起こる「老後破綻の落とし穴」をみていきましょう。

銀行員が“遠回しに”伝えたまさかの事実

銀行員「申し訳ございません、詳細をお伝えすることはできかねます。月々の引き落としや、他行でのお借入れなどはございませんか? ……もしもAさまご自身にお心あたりがない場合、念のため、奥様にもご確認されてみてはいかがでしょうか」

 

「なんだよそれ……妻が借金してるってことか? そんなことありえないだろ!」

 

怒りで手が震えたAさんですが、まずは事実を確認しようと、その日は早々に仕事を切り上げ、帰宅することにしました。

住宅ローン「謝絶」の原因

Aさん「ただいま……なあ、ちょっと聞いてくれよ! 住宅ローン謝絶だって。ふざけているよな。全然納得いかなくてさ、なんとかして理由聞き出そうと思っていたら『他行でのお借入れはございますか?』なんて聞かれたんだけど、そんなのないよな?」

 

帰宅早々、妻にこう切り出すと、Bさんは顔を曇らせました。

 

そして、「ごめんなさい、実は……」と、涙ながらにローンが謝絶された原因について語り始めました。

 

聞けば、「家族カード」を使って行った買い物やキャッシングの返済が滞っていたというのです。

 

Aさんは仕事が激務であったことから、家計管理はBさんに一任されていました。とはいえ、堅実なAさんですから贅沢は厳禁でした。

 

しかし、AさんはE銀行でつくったクレジットカードの存在を知らなかったのです。

 

結婚したタイミングでE銀行に口座を開設したとき、夫婦は銀行員に勧められるがままE銀行系列のクレジットカードを作成。家族カードもこのときに発行したものですが、Aさんはこのカードを使っておらず、引き落とし口座の残高も見ていませんでした。

 

専業主婦のBさんの交友関係は、息子が通う幼稚園のママ友に限られます。Bさんが所属していたグループは高収入の家庭が多いのか、ブランド品を身に着けておしゃれなカフェやレストランによく集まっていたそうです。

 

グループ内での“マウント合戦”に煽られたBさんは、Aさんの目の届かない「家族カード」を使って散財するようになっていったのでした。

 

「なんだよそれ……そんなもの、言ってくれたらすぐにでも出したのに」

 

Bさんの話をはじめは怒って聞いていたAさんですが、しだいに冷静になり、自分が家庭を省みなかったことが原因だと反省。

 

「家族カードの残債はすぐにでも返済できるけど、マイホームをどうするかと、これからの家計管理をどうするか、専門家の人に相談しよう」と、Aさんは妻を連れて筆者のもとを訪れました。

 

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※プライバシー保護の観点から、登場人物の情報を一部変更しています。

〈参考・出典〉
・厚生労働省「出産費用の見える化等について」(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001143706.pdf)

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