住宅着工、許可件数ともに市場予想を上回る
1月17日、米国センサス局は12月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数(季節調整済、年率)は149.9万件(前月改定値:129.4万件)と128.9万件から小幅上方修正された前月、市場予想の132.7万件(Bloomberg集計の中央値)を大幅に上回った(図表1、図表3)。
先行指標である着工許可件数(季節調整済、年率)は148.3万件(前月:149.3万件)とこちらは前月を下回った一方、市場予想の146.0万件は上回った(図表2、図表5)。
戸建てが回復、住宅投資は3期ぶりプラス成長へ
住宅着工件数の伸びは前月比+15.8%(前月:▲3.7%)と4ヵ月ぶりにプラスに転じた(図表3)。戸建てが+3.3%(前月:+7.7%)と2ヵ月連続のプラスとなったほか、集合住宅が+61.5%(前月:▲30.7%)と前月から大幅なプラスに転じて、着工件数全体を押し上げた(図表4)。

前年同月比は▲4.4%(前月:▲14.3%)とマイナス幅は縮小したものの、4ヵ月連続のマイナスとなった。内訳をみると、戸建てが▲2.6%(前月:▲9.8%)と3ヵ月連続でマイナスとなったほか、集合住宅が▲8.4%(前月:▲27.6%)とマイナス幅は縮小したものの、2ヵ月連続のマイナスとなった。
地域別寄与度(前月比)は、西部が▲0.2%ポイント(前月:▲2.8%ポイント)と2ヵ月連続でマイナスとなった一方、中西部が+2.6%ポイント(前月:▲6.1%ポイント)と前月からプラスに転じたほか、北東部が+3.5%ポイント(前月:+0.2%ポイント)、南部が+9.9%ポイント(前月:+5.0%ポイント)と2ヵ月連続でプラスを維持した。
先行指標である住宅着工許可件数は、前月比が▲0.7%(前月:+5.2%)と前月からマイナスに転じた(図表5)。戸建てが+1.6%(前月:+0.5%)と3ヵ月連続でプラスを維持した一方、集合住宅が▲5.0%(前月:+15.4%)と前月からマイナスに転じて許可件数全体を押し下げた(図表6)。
前年同月比は▲3.1%(前月:▲1.0%)と11ヵ月連続のマイナスとなった。戸建てが▲2.5%(前月:▲2.3%)と7ヵ月連続のマイナスとなったほか、集合住宅が▲4.3%(前月:+1.6%)と前月からマイナスに転じた。
一方、住宅着工件数と許可件数の3ヵ月移動平均、3ヵ月前比は年率で12月がそれぞれ+14.9%(9月:▲2.5%)、+9.0%(9月:+0.7%)と、着工件数が9月からプラスに転じたほか、許可件数のプラス幅が拡大した(図表7)。

このため、1月30日発表の10-12月期の実質GDPにおける住宅投資(前期比年率)は前期の▲4.3%から3期ぶりにプラスに転じる可能性が高い。
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