税金を払うより福祉を受ける方がマシ?
市民は、毎月・毎日支払っている多くの税金の恩恵を感じることができず、むしろ生活はますます厳しくなっている。こうした不満が爆発したのが、1月11日に中央広場で行われた「政府は辞職せよ」デモだった。この抗議活動は自由連合党が主催し、多くの市民が参加。重税に苦しむ実情を訴え、政府の政策が国民の生活を悪化させていると強く批判した。
ある市民は、オンライン上で次のような不満を投稿した。
「生活保護ってどうやって申請するんだ? 精神的に追い詰められながら必死に働いて、9桁(億単位)の税金を納めても、手元に残るのはほんのわずか。それなのに、払った税金の見返りは何もない。もう税金なんか払わず、貧困層として登録して福祉を受けたほうがマシじゃないか」
また、企業経営者のKh.氏は、SNSで次のように嘆いている。
「従業員の給料を支払った後に残る金は、すべて税金に消える。『ビジネスを始めれば儲かる』なんて幻想だ。政府は徹底的に搾り取り、最終的には破産へと追い込む」
こうした声は決して一部の人々だけのものではなく、今やモンゴル国民の多くが直面している厳しい現実を映し出している。
しかし、政府は税負担を軽減するどころか、むしろ新たな税制を導入しようとしている。最近、市民参加連合党の党首であり、ハンウール区市議会の代表であるTs.オユンゲレル氏が、この問題について警鐘を鳴らした。彼女は、公の場で「都心税」という新たな税金について言及。ウランバートルの中心部へ入る市民に、1日2万7,500トゥグルグ(約1,200円)の通行料を課すという構想が進んでいることを明かした。
「当局はこの法案を急いで可決させようとしている。この税が導入されれば、事実上、すべての市民が罰金を課されることになる。こんな高額な通行料を払えるのはごく一部の富裕層だけ。庶民は街の中心部にすら自由に行けなくなる。私たちは、この法案を阻止するために戦わなければならない」
さらに、オユンゲレル氏は政府の矛盾した行動を批判し、こう訴えた。「増税の話が出るたびに『政府にはお金がない』と言われる。しかし、大規模プロジェクトの話になると、湯水のように資金を使う。政府の約束と現実はかけ離れており、すべてが嘘に思える」。
国民の税負担が増え続ける一方で、政府の無計画な財政運営が続けば、市民の不満はさらに高まりそうだ。
