“同業他社と戦わない”ことで仲間を増やせる
商品軸を見つけていくとき、リサーチは大切です。市場と時流と目的を見極められるように、常にアンテナを張っておきましょう。
わたしの尊敬する、広島の大企業の経営者から教わった重要なポイントは、「業界の困っているところの解決をしてあげたらビジネスは成功するし、大きなお金が動く」という考え方です。
たとえば、健康市場の場合も、クライアントが何に困っているのかを探します。もしアトピーに困っている人が多ければ、ほかの人が行っていない方法でアトピーを改善できるものをつくりましょう。
よりよい商品が生まれると、結果的にクライアントが喜び、業界の喜びにもつながります。そのうえ、自分の会社の喜びにもつながるのです。このようなビジネスをつくれたらいいと思いませんか?
ライバルにならないポジションをとる
近江商人の成功の秘訣といわれる「三方よし」は、売り手よし・買い手よし・世間よしという考え方です。
同じように、わたしは業界の同業他社がライバルにならないようなポジションをとることを大切にしています。ライバルにならないポジションとは、業者の同業他社をサポートする立ち位置です。
たとえば、治療業界にはライバルが山のようにいます。このときに考えられる戦略は2つあります。
1.ライバルがしていないことをする
2.ライバルのお困り事を解消する、ライバルの先生になるポジションを狙う
このどちらかです。
業界の人たちのお悩み事を解決し、救ってあげることができたら、喜んでもらえますし、その後「何か一緒にしたい」というビジネスパートナーになってくれるかもしれません。
戦わない戦略は、仲間を増やし、豊かに成功していくカギなのです。
会社の成長には3つのステージがある
会社の成長にはステージがあるのですが、意外にも、このことを知らない日本人は大勢います。
【会社の成長ステージ】
1.幼年期:職人的人格が前面に出ている
2.⻘年期:マネージャー的人格が求められる
3.成熟期:起業家としての人格が必要になる
日本人のビジネスの多くは、立ち上げてから自分ができることを提供し、人に教えるところから始まります。そのため、幼年期の職人の資質、いわゆる専門家の資質が前面に出てしまいやすいのです。
幼年期・青年期の経営者は忙しさから抜け出せない
あるカリスマ美容師の方から聞いた話を、ご紹介しましょう。その人が「美容業界で成功しよう」と最初にしたことは、カリスマ美容師になることだったそうです。
ところが、自分がカリスマ美容師になると、ずっと美容師の仕事をし続けなければいけないビジネスモデルになってしまうため、成長ステージを引き上げる必要がありました。
次のステージでは、マネージャー的な役割を担うことになります。ここではカリスマ美容師を育てる人になることを目指します。
けれども、カリスマ美容師を育てられるようになると、今度は育ったカリスマ美容師が独立してしまうことが続き、育成をし続けなくてはいけなくなってしまいました。
「これは、自分が求めている結果と違う」と軌道修正をはかり、最終的に、カリスマ美容師のスキルがある美容室をつくると意識を変えたことでうまくいくようになったそうです。
×自分がカリスマ美容師になる(幼年期:職人的人格)
×カリスマ美容師を育てる(⻘年期:マネージャー的人格)
◎カリスマ美容師のスキルがある美容室をつくる(成熟期:起業家としての人格)

職人になること、職人を育てるマネージャーになること、起業家の視点を持つことはこれほど意識が違うものなのです。
役職は経営者であっても、職人意識が拭えない人は少なくありません。ぜひ一度、自分がどの位置にいるのか振り返ってみましょう。
水野 加津人
経営コンサルタント
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