何十年と遡って「追徴課税」されることも…「アメリカの税務調査」に日本人が戸惑うワケ

何十年と遡って「追徴課税」されることも…「アメリカの税務調査」に日本人が戸惑うワケ
(画像はイメージです/PIXTA)

日本の税務調査に係る時効は、一般的なケースでは3年、問題が見つかったケースは5年、悪質であれば7年と定められています。ところが、アメリカの場合、過少申告の度合いや住んでいる州によって、大きく変わってきます。そのため、アメリカに進出した企業や日本人は複雑さから戸惑うケースが多いのです。本稿では現在、カリフォルニア州にオフィスを構える国際税務のプロフェッショナルが、日本とアメリカの税制の違いを具体例を交えつつ解説します。

日本と異なる「税務調査」…時効がなくなるケースも

アメリカ連邦税関連のIRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)の税務調査に係る時効は、一応「3年」と定められています(日本ではケースによります)。

 

しかし、例外もあります。たとえば、収入を極めて過少に申告したと判断された場合、時効期限は6年まで延長されます。一般的に、総収入の25%以上を除外したとされる場合には過少申告と判断されます。

 

実際20万ドルある収入を14万ドルしか申告していない場合には時効期限は6年となります。さらに、その含めなかった6万ドルが不正や詐欺行為に関わる収入と判断された場合には時効がなくなり、税務調査の際には無期限に遡り調査されます。

 

また、除外した収入が外国からの収入で5,000ドル(75万円)を超える場合も、また時効期限は6年になります。

 

時効とは別に、もし海外の金融口座からの利息や配当収入があれば、外国口座情報(FBAR)の申告をアメリカ財務省に申告を行う義務があります。さらに海外の法人等の持ち分を所有し、そこからの配当収入などがあれば、Form5471を申告書とともに提出しなければなりません。

 

これらの提出を怠った場合、それぞれ1万ドルの罰金があります。さらに追加の罰金や刑事罰を受けることもありうるため、国外に関連した収入のある方は税務申告では神経質になります。

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