慢性的な人材不足で無理を重ねる介護の現場
要介護者が増えることが予測されているなか、介護の現場ではすでに人手不足が深刻な状態になっています。
介護保険制度が施行された2000年以降、介護職員の数自体は年々増え続けてきました。2000年には約55万人だった介護従事者は、2023年にはおよそ4倍となる216万人に達しています。しかしこれだけ増えているにもかかわらず、需要とは釣り合っていないため、人手不足が解消されるめどは立っていません。

注2)介護職員の必要数(約233万人・243万人・280万人)については、足下の介護職員数を約211万人として、市町村により第8期介護保険事業計画に位置付けられたサービス見込み量(総合事業を含む)に基づく都道府県による推計値を集計したもの。
注3)介護職員数には、総合事業のうち従前の介護予防訪問介護等に相当するサービスに従事する介護職員数を含む。
注4)2018年度(平成30年度)分から、介護職員数を調査している「介護サービス施設・事業所調査」の集計方法に変更があった。このため、同調査の変更前の結果に基づき必要数を算出している第7期計画と、変更後の結果に基づき必要数を算出している第8期計画との比較はできない。
出典:厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について(令和3年7月9日)」別紙1
厚生労働省が発表した「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」によると、団塊世代全員が後期高齢者となる2025年度には約243万人の介護職員が必要になるとされています。2019年度の時点で介護職員として働いていた人数を基準とすると、約32万人増やさなければならないのですが、現状では難しいといわざるを得ません。
さらに2040年度の必要数は約280万人とされており、2019年度の人数から約69万人増やさなければなりませんが、今のペースでは非常に厳しい数字です。