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大学在学中の19歳で、中国からの輸入ビジネスを起業
小峰:起業したのは何歳のときですか?
佐々木:大学に在学していた19歳のときです、というと格好よく聞こえるかもしれませんが…。じつは、コンビニエンスストアのアルバイトで、人によっては1ヵ月で外れる〈研修マーク〉が、半年間もの間外れず、それで「普通に会社勤めをするのは向かないかな」と思ったのが、起業のきっかけです。
小峰:そうだったのですね。最初に始めたビジネスはどのようなものでしたか?
佐々木:中国からの輸入ビジネスでした。服からスマートフォンのケースまで、あらゆる物を輸入し、メルカリなどで売るというビジネスです。儲かったことは儲かったのですが、起業するような大学生でしたから、もっとキラキラと輝くようなビジネスをしたくて。「何者かになりたい」という憧れが強かったんですね。
医療関係メディア事業で大失敗、学生なのに借金1,500万円
佐々木:もっと社会にインパクトを与えられるビジネスをしようとして22歳のころ始めたのが、希少疾患に関するメディアでした。いまは治癒したのですが、そのころ、弟が希少疾患を患っていました。希少疾患の患者は、なかなか情報を得ることができないので、治験の募集をしている医師・研究者と患者とをつなぐメディアを作りました。
小峰:うまくいったのでしょうか?
佐々木:まったくダメでした。そもそも希少疾患というくらいですから、患者数が少なくビジネスになるほどの数になりません。しかも、患者からも医師・研究者からもお金を取りにくくて…。
小峰:なるほど…。
佐々木:結局、残ったのは借金だけでした。この起業のため、個人の投資家を中心に1,500万円くらい借金をしていたのです。普通のサラリーマンをしていては1,500万円も返済できませんから、この時点で「大学を卒業して就職」という選択肢は絶たれ、起業して稼ぐ以外の道がなくなりました。
1,500万円の借金返済のため、D2Cビジネスを起業
佐々木:とはいえ、これだけ借金があったら「キラキラしたビジネスで、社会にインパクトを与えたい」なんて夢を見ている場合ではありません。そこで、経験があった中国輸入のビジネスを、もう一度やることにしました。23歳のころです。でも、ビジネス内容は同じではありません。今度は、中国で売られている商品を仕入れて日本で売るだけではなく、自分でブランドを作っていき、付加価値を付けていくことにしました。最近の言葉でいえばD2C、当時の言葉でいえばOEMですね。
小峰:どのような商材ですか?
佐々木:ペット用品です。私自身、犬や猫を飼っていたわけではないのですが、好きな人であれば、金額が高くても気にせず買ってくれるということを、以前の経験からわかっていたので選びました。
小峰:なるほど。
佐々木:このころ、自分自身で目標を明確にするため、「自分契約書」というものを書きました。そのときに「2年後に5,000万円以上で会社を売却しよう。そうして海外に行こう」という目標を立てていました。

「輸入D2Cビジネス」の必勝法を見つける
佐々木:ちょうどペット用品ビジネスを始めてすぐにコロナ禍になりましたが、それが追い風となり、需要が急増しました。そのおかげもあって、目標としていた5,000万円には及ばなかったものの、起業から1年後に2,800万円で事業を売却することができたのです。
小峰:がんばりましたね!
佐々木:でも、輸入ビジネスはキャッシュフローの管理が大変でした。OEMでペット用品を作ってもらうには、前金で支払いをしなくてはいけません。支払いから納品までが約4ヵ月、そして、日本に運搬して販売、Amazonで売る場合だと入金があるのは翌月になります。つまり、製造会社への支払から、販売後に入金があるまで、約5ヵ月もかかります。
小峰:そんなにかかるのですね!
佐々木:はい。この期間を少しでも短縮するため、軽くて高価な商品を増やし、船便でなく航空便で運ぶようにするなど、大変でした。資金が少ないと、商品が品切れになりやすくなりますが、そうすると、Amazonの中で上位に登場しなくなってしまうのです。ですから、このビジネスを行うためには、とにかく資金が必要でした。今回も資金は借金に頼りましたが、前回の失敗から学び、今回は政策金融公庫やコロナ融資といった、公的な低利の融資を活用しました。
小峰:輸入ビジネスで、確実に稼げる勝ち筋を見つけたようですね。
輸入ビジネスから、ノウハウ販売&コンサル業務へシフト
佐々木:輸入ビジネスは楽ではないので、もう一度やりたいとは思いませんが、ノウハウは確立できたと思いました。そこで、輸入ビジネスを売却したあとも「輸入ビジネスのコンサルティング業務」を続けていました。さらに、ペット用品ビジネスを売却したあと、輸入ビジネスのノウハウをまとめて販売を始めたのですが、これが予想以上に売れました。
小峰:すごい!
佐々木:事業売却のあとで得た収入もあり、希少疾患のメディアを立ち上げたときの借金と、ペット用品ビジネスを立ち上げたときの借金を返済しても、数千万円が残りました。そこで「自分契約書」に書いたとおり、24歳で海外移住をすることにしました。
小峰:最初はどこへ移住したのですか?
佐々木:19歳のころヨーロッパ旅行をしたとき気に入ったオランダです。ところが、家賃だけで月に2,000ユーロ(約36万円)もかかり、出費総額では70万~80万円にもなりました。さすがに厳しいので、1ヵ月でオランダを出ることにしました。私はもともとヨーロッパが好きなので、ヨーロッパのなかで物価の安い国を選ぼうと思ったんです。
小峰:東欧のジョージアですね!
ビジネスを継続しながら、24歳でジョージアへ
佐々木:2021年11月、東ヨーロッパにある旧ソ連のジョージアに移住しました。ジョージアは、ビザ無しでも1年間滞在できるという滞在条件の緩い点も魅力的ですが、税金面も魅力的です。個人事業主向け税制で、売上約2,700万円までは税金が売上の1%。ノウハウをまとめたNoteの販売、コンサルティングなど利益率の高いビジネスをしている私にとっては、非常に低税率といえます。
小峰:ジョージアの暮らしはいかがでしょう?
佐々木:2021年11月に最初に住み始めたマンションは、新築の2LDKで家賃が400米ドルでした。このマンションはとてもよかったのですが、2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻以降、ロシア人が大量にジョージアに流入して、大家が家賃値上げを要求してきました。なんと1,000米ドル、2.5倍です。さすがに厳しいので、日本人とルームシェアをして2人で650米ドルの家を借りました。
小峰:それは大変でしたね! ほかはどうですか?

佐々木:ジョージアは、食事も美味しいです。ただ、2021年11月に移住してきたころは、外食する場合の値段は東京の半額くらいのイメージでしたが、ロシア人の大量流入で値段が上がり、いまでは東京の80%くらいのイメージです。外食ばかりでは飽きるので、半分くらいは自炊していますね。
小峰:今後のご予定は?
佐々木:また近いうちに移住するかもしれませんが、やはりヨーロッパが好きなので、次もヨーロッパにします。
小峰 孝史
OWL Investments
マネージング・ディレクター・弁護士
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