1.概観
【株式】
12月の主要国の株式市場は、まちまちの展開となりました。米国株式市場は、月初には大型ハイテク株をけん引役に最高値を更新しましたが、米国長期金利の上昇の影響を受け金融、ヘルスケアセクターなどを中心に利益確定売りが増加し、月間ではマイナスとなりました。欧州の株式市場では、銀行株や自動車株が反発しDAX指数は上昇しましたが、FTSE指数は下落しました。日本株式市場では、政策金利引き上げ懸念の後退と円安などにより、自動車セクターを先導役に株価は上昇しました。中国株式市場では、エネルギー、電力や電話など公益企業、金融株などが好調でした。香港ではAI関連銘柄や電気自動車メーカーなどハイテク株が値上がりし、ハンセン指数は月間でプラスとなりました。
【債券】
米国の10年国債利回り(長期金利)は、景気が想定以上に堅調なことと米連邦公開市場委員会(FOMC)が25年の利下げ回数が2回になると示唆したことなどから上昇しました。欧州中央銀行(ECB)は12月の理事会で追加利下げを行いましたが、ドイツの長期金利は米国の長期金利の上昇に引きずられる形で高止まりしました。日本の長期金利も、日銀が政策金利の引き上げを見送りましたが、米長期金利の上昇などの影響を受けて上昇しました。
【為替】
円の対米ドルレートは、米国長期金利が大幅に上昇する一方で、日銀の政策金利引き上げ見送りも影響し、ドル高となりました。
【商品】
原油価格は、中東情勢が緊迫化しましたが、需要が不振で、価格の変動は限定的でした。EVやハイブリッド車の普及を主因に燃料油需要が低調でした。