第二順位:親や祖父母
血族相続人のうち、子どもの次に優先されるのが親や祖父母です(民法第889条第1項第1号)。
・配偶者がいる場合:相続人は「配偶者+親や祖父母」
・配偶者がいない場合:相続人は「親や祖父母だけ」
また、父母がすでに亡くなっている場合でも、祖父母がいればその祖父母が法定相続人となります。
この場合、すでに亡くなった親に代わって相続するわけではないため、「代襲相続」とは呼ばれません。ちなみに、親や祖父母、さらにその上の世代までを「直系尊属」といいます。
第三順位:兄弟姉妹
被相続人に子どもや親がいない場合、次に相続するのが「兄弟姉妹」です(民法第889条第1項第3号)。
・配偶者がいる場合:相続人は「配偶者+兄弟姉妹」
・配偶者がいない場合:相続人は「兄弟姉妹のみ」
兄弟姉妹がすでに亡くなっていた場合、その兄弟姉妹の子ども、つまり被相続人から見て甥や姪が代わりに相続できます(これを「代襲相続」といいます)。ただし、この代襲相続は一代限りで、甥や姪が相続人になれる最後の世代です。そのため、甥や姪の子どもは相続権を持ちません。
代襲相続とは?
代襲相続とは、本来相続するはずだった人が先に亡くなっていた場合、その人の子どもや孫が代わりに相続人になる制度です。
子の代襲相続
被相続人が亡くなったときに、その子どもがすでに亡くなっている場合には、その子どもの子ども、つまり孫が代わりに相続人になります。
この仕組みがあることで、亡くなった人の財産が次の世代に受け継がれるようになっています。もし孫も亡くなっている場合には、その孫の子ども、つまりひ孫がさらに代わって相続することができ、この仕組みを「再代襲相続」といいます。
兄弟姉妹の代襲相続
代襲相続は、被相続人の兄弟姉妹にも適用される場合があります。被相続人に子どもや両親がいないときに兄弟姉妹が相続人になりますが、もし兄弟姉妹がすでに亡くなっていた場合には、その兄弟姉妹の子ども(甥や姪)が代わりに相続人になることができます。
ただし、兄弟姉妹の場合の代襲相続は一代限りで、甥や姪の子ども(おいっ子・めいっ子)は代襲相続をすることができません。
相続権がない人たちについて
法定相続人になりそうに見えても、実際には相続権がない人もいます。ここでは、相続権がない代表的なケースを紹介します。
ただし、以下に該当する場合でも、遺言書で指定されていれば財産を取得することは可能です。
内縁の夫や妻
内縁関係にある夫や妻は、法的には他人であるため、相続権はありません。
離婚した元配偶者
離婚した元配偶者も相続権はありません。
子どもの配偶者
子どもの配偶者には相続権がありません。ただし、特別な貢献があれば、特別寄与料を請求できることもあります。
養子縁組をしていない連れ子
被相続人と養子縁組をしていない連れ子は、相続権を持ちません。
養子縁組前に生まれた孫
養子縁組前に生まれた孫(養子の連れ子)は、代襲相続で相続権を持つことはできません。

