オーナー社長がハードワークを苦にしない理由
内田:その後、解散した会社で事業責任者をやっていた上司が創業した採用支援会社で仕事を手伝うようになり、起業の後押しとなる、ひとつの気づきを得ました。
小峰:どのようなものでしょう?
内田:その会社の創業者は、当時の私には真似できないほどのハードワーカーでした。どうしてこんなに働けるのかと思ったのですが、これは能力や気力の差ではなく、とっている「リスク・リターン・裁量」の差だと気づいたのです。そこで「それらを求めて起業しなくては」と考えるに至り、いろいろなことを調べ始めました。
小峰:なるほど…。
内田:それまでは、いわゆるベンチャー、スタートアップでの仕事が長かったものですから、起業するにあたっては「新しいこと」「斬新なこと」をやらなければならないと考えていました。ですが、いろいろと調べるなかで、「スモールビジネスであれば新しいことはやらなくていい、むしろやってはいけない」という考え方に触れることになりました。これが転機になったのです。
投資メディアで「起業」へ
小峰:行き着いた考え方について、具体的に教えてください。
内田:起業するにあたって重要なポイントは3つ、「①好きなこと、②得意なこと、③儲かること」だと考えました。まず、私は2017年から暗号資産への投資をしていたので、暗号資産の投資は「①好きなこと」ですし、普通の人よりは「②得意なこと」だといえます。
小峰:「③儲かること」についてはいかがですか?
内田:ウェブメディアの場合、SEOで集客してアフィリエイトで売上を作るというやり方が多いのですが、これだと過去やったことの繰り返しで楽しくなく、競合も強く、確実に勝てるという着地が見えなかったんです。
小峰:そうでしたか。
内田:ですが、それで着想を得たのが『マーケットの魔術師』という、海外の投資家やトレーダーのインタビュー記事をまとめた書籍でした。この本の日本版をやりたいと考え、2022年7月、「Burry Market Research(バーリ・マーケット・リサーチ)」というメディアを立ち上げました。収益は「読者が集まったら課金しよう」くらいの漠然とした方針でした。
課金モデルをやめ、バックエンドで別商品を売るビジネスモデルへ
小峰:読者から直接課金するビジネスモデルの結果はどうでしたか?
内田:うまくいきませんでした。メディアを始めて1年半ほど経過した2024年3月のあたりで、以下の3つの理由から、このビジネスモデルはむずかしいと考えるようになりました。
①有料化で読者が減ったら、インタビュイーの協力を得にくくなってしまう
②インタビュー記事の内容が「コアなビットコイナー」「自動売買で稼ぐトレーダー」「スウィングトレーダー」「小さい値動きから利益を得ようとして1日に何度もトレードしているトレーダー」など細分化され、有料化と相性が悪い
③月100万円ぐらいは売れるかもしれないが、1年半の準備期間を経て月商100万円では割に合わない可能性が高い
小峰:そうだったのですね。
内田:そこで、このメディアは引き続き無料で提供しつつ、コミュニティなど、別で有料のサービスを提供しようと考えました。最初にベータ版としてリリースしたのが「経済指標勉強会」ですが、ニッチ過ぎると考え、その後、「投資コミュニティ」「FIREコミュニティ」「スモビジコミュニティ」と考え、2024年7月、現在の「BMRスモールビジネス研究所」に行きつきました。
小峰:コミュニティを提供して半年弱ですが、いかがでしょうか?
内田:幸いにも順調に会員様は増えています。ただ、会員数以上に重視しているのは、コミュニティの質です。実際、すでにスモールビジネスを経営している、熱量高くスモールビジネスを立ち上げたいという方の継続率、満足度は高く、反対に、事業の立ち上げについて手取り足取りサポートしてほしい人、いますぐ立ち上げたいとまでは思っていない方は早めに退会する傾向です。
小峰:明確な区分けができていますね。
内田:合う人には合う、合わない人には合わないというコミュニティになっていて、合う方はオフ会に参加いただいたり、Discordで活発に議論されたりと積極的に活用いただいています。また、私自身も、このオンラインコミュニティをスモールビジネスとして、常に磨き上げながら発展させていきたいと考えています。
小峰 孝史
OWL Investments
マネージング・ディレクター・弁護士
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