アイデア発想法の「学びの場」にもなるアイデアソン
⑤教育・人材育成
企業の社員向けの教育や研修、学生の教育を目的として行われるもので、部署や専門分野を超えたチームによる協働能力の向上やネットワークの形成、アイデア発想法の学びの場として活用される。
たとえば、企業が社内の部署を超えて一緒にアイデア創出に取り組み、共創に必要な共感力や協働能力を育成する目的で開催されるケースが考えられる。
主催は主に企業や大学で、イベントは公開型、非公開型それぞれあり、外部からのゲストや取引先企業を巻き込んだ形で実施される場合もある。
<事例>
●アイデアソンから始めよう
日時/2015年3月6日、主催/中小企業基盤整備機構TIPS、場所/TIPS(東京都千代田区)
アイデアソンやオープンイノベーションに関心のある中小企業者向けに開催された連続講座で、アイデアソンで活用されるさまざまなツールやコ・クリエーションの進め方についての人材育成を目的として実施した。
●沖縄観光の未来をつくるアイデアソン
日時/2016年2月12~14日、主催/琉球大学観光政策研究ゼミ・富士通・沖縄富士通システムエンジニアリング、場所/琉球大学(沖縄県中頭郡西原町)
大学生と社会人(沖縄県内のホテル関係者、行政関係者)が「沖縄に世界一のホテルを作る」をテーマに、ユーザーヒアリングを含むフィールドワークを取り入れた3日間の集中講義として開催した。
●高知を盛り上げるアイデアソン
日時/2015年10月31日、2016年6月12日、2016年8月6日、主催/株式会社オルトプラス・高知県、場所/高知市内
高知県と株式会社オルトプラス、コンテンツ産業を担う人材の育成及び起業支援等を目的とした協定を締結し、定期的にアイデアソンを開催。
大学等と連携して、「防災×IT(高知高専)」、「都市×田舎(高知大)」といったテーマを設定し、生まれたアイデアはビジネスプランコンテストへエントリーし、実現を後押ししている。
大学生と企業が一丸となり、エコシステムの形成を図る
⑥エコシステム創出
地域の中小企業や、関わりの薄い異業種間の交流、学生と社会人の交流を通じたエコシステム(生態系)の構築を目的に開催されるものなど、アイデアソンのプログラムを通して、新たなつながりや関係構築、相互理解を図り、その後の活動につなげるための基盤づくりを行う。
たとえば、地元の中小企業の持つ技術を地元の大学生が知り、その技術を活用したアイデアを大学生と中小企業の社員が一緒に考えるプロセスを通じて相互に理解を図っていく場合などである。主催は行政等の公的機関や大学が主となり、公開型で実施される場合が多い。
<事例>
●仕事創造アイデアソン
日時/2015年8月24日、主催/高知大学地域協働学部・富士通株式会社、場所/高知大学(高知県高知市)
高知県内の中小企業者と大学生の新たな関係構築を目指して開催された。中小企業の社員と大学生、大企業の社員が一緒になってアイデア創出に取り組み、そのプロセスを通じて地域内のエコシステムの形成を図った。
●高知に恋するアイデアソン
日時/2015年12月5日、主催/COLLABODEA!、場所/高知県ココプラ(高知県高知市)
高知県内の大学生が中心となり、大学生同士のつながりや大学生と地域で活躍する大人とのネットワーク形成を目指して開催された。企画運営を学生が担い、地域の大人たちに向けて学生の視点からさまざまなアイデアを提示し、その実現を一緒に図ろうという取り組みで始まった。