SNS型ロマンス詐欺による被害の実態
ニュースでたびたび取り上げられる詐欺の被害。その中の「SNS型ロマンス詐欺」が増加しています。SNS型ロマンス詐欺とは、SNSやマッチングアプリなどを通じて知り合った相手に金銭等をだまし取られてしまう詐欺です 。まずは警視庁の資料から実態を見ていきましょう。
■SNS型ロマンス詐欺 被害者の性別・年齢層
令和6年1月~令和6年10月のSNS型ロマンス投資詐欺による被害件数は2,956件、被害額は約311.3億円となっています。
被害者は男性が62.8%、女性が37.2%。男性が圧倒的に多いという状況です。また、年齢層については男女ともに40代・50代・60代がボリュームゾーンとなっています。
【被害者の性別】
男性:1,856人(62.8%)
女性:1,100人(37.2%)
【被害者の年齢層】
〈男性〉
10代:7人(0.4%)
20代:97人(5.2%)
30代:197人(10.6%)
40代:377人(20.3%)
50代:523人(28.2%)
60代:480人(25.9%)
70代:159人(8.6%)
80代以上:16人(0.9%)
〈女性〉
10代:3人(0.3%)
20代:79人(7.2%)
30代:139人(12.6%)
40代:320人(29.1%)
50代:312人(28.4%)
60代:178人(16.2%)
70代:58人(5.3%)
80代以上:11人(1.0%)
若い世代はさておき、年齢を重ねれば詐欺だと見抜けるのでは? そう考えがちですが、この結果を見る限りはそうでもないようです。詐欺師はお金を持っている世代を巧妙に狙い、金銭を奪っていくのでしょう。
■SNS型ロマンス詐欺 被害額と被疑者が詐称した身分
では、被害額はどれぐらいなのか。同じ警視庁の資料によると以下の通りです。
【被害額】
500万円以下:1,578件
1,000万円以下:510件
2,000万円以下:468件
5,000万円以下:299件
1億円以下:73件
1億円超:28件
500万円以下が多いものの、数十万円であっても一般家庭にとっては大金ですから被害額が安いとはいえません。500万円以上を足し上げると1,377件。およそ半数は500万円以上の被害に遭っており、1億円超という被害もたった9ヵ月の間に28件起きています。
同資料によれば、被疑者が詐称した身分(地域)は「日本」が52.5%で、次いで「東アジア」が17.9%と高い割合を示しています。一方、職業は「不明」が46.1%と半数近くを占め、「その他」、「投資家」、「会社員」と続いています。
さらに、当初どのように接触してきたのかは、男女ともに「マッチングアプリ」が最も多く3割強、続いて男性は「フェイスブック」、「インスタグラム」の順、女性はインスタグラム、フェイスブックの順でした。
被害の多くは「投資名目」で7割強。最初は恋愛や交際を餌にしつつ、最終的には投資などでお金を取られてしまうというのが実態のようです。