49歳無職男性「人生、一発逆転だ!」父の遺産で実家をリフォーム→〈タンス預金5,000万円〉発見で大喜びも…1年後〈追徴課税3,000万円〉に悲鳴。“現金のまま保有”も、税務署にバレた理由【税理士の助言】

49歳無職男性「人生、一発逆転だ!」父の遺産で実家をリフォーム→〈タンス預金5,000万円〉発見で大喜びも…1年後〈追徴課税3,000万円〉に悲鳴。“現金のまま保有”も、税務署にバレた理由【税理士の助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

日本国内に約60兆円あるといわれる「タンス預金」。タンス預金をする理由はさまざまですが、相続税対策のためにあえて行う人も少なくありません。しかし、意図的な隠ぺいが税務調査によって発覚した場合、通常の相続税よりもはるかに重い「追徴税」を課されてしまいます。亡き父のタンス預金を発見した49歳男性の事例をもとに、タンス預金のリスクと相続税の注意点をみていきましょう。

自宅に置いておいただけなのに…タンス預金はなぜバレる?

それにしても、なぜ自宅に現金があることが税務署にバレてしまったのでしょうか?

 

税務署では、全国の国税局と税務署をネットワークで結ぶ「KSK(国税総合管理)システム」により、日本のすべての納税者の申告書が把握されています。このKSKシステムには、納税に関するデータだけでなく、資産の購入や売却などの履歴情報も蓄積されています。

 

過去の申告状況などと照らし合わせ、「相続財産が少ないのではないか?」などと疑いをもたれた場合、税務署は銀行に問い合わせ、対象者の預金の流れを調べます。

 

税務署の調査権限は非常に強力なもので、相続人の口座を確認する場合、銀行は正当な理由がない限り、税務署の要求に応じて保有する情報を開示しなければなりません。そこで大きなお金の動きがある場合、税務調査の対象となります。

 

このため、税務調査の対象となった場合、すべての財産をおおむね把握されていると考えたほうがよさそうです。

 

相続税・贈与税の税務調査で、もっとも指摘を受けるのが、「現金・預貯金の申告漏れ」となっていますから、現預金の動きについては重点的に調査されると認識してきましょう。

 

今回のAさんのように、タンス預金を相続財産に含めずに申告した場合、意図的に財産を隠したと判断され、非常に重いペナルティである重加算税が課されます。

 

もし万が一、相続の際に「タンス預金」を見つけた場合は、隠ぺいすることなく、正直に適正な申告を心がけましょう。

 

 

宮路 幸人

多賀谷会計事務所

税理士/CFP

 

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