高齢の母激怒、Aさんは戦意喪失…税務調査官の“追い込み”
緊張していたAさんでしたが、予想外にも調査は和やかな雑談からスタート。亡くなった父の人となりについて質問されるうち、少しずつリラックスしてきました。
しかし、午後に入ると、だんだんと調査官は核心に迫ってきます。
Aさんは素直に、父の通帳をすべて渡しました。調査官が確認したところ、4年ほど前、ちょうど新型コロナウイルスが流行していたころ、5回に分けて1,000万円ずつ引き出されていることが明らかになりました。
「これがあのタンス預金か!」と気づいたAさんでしたが、調査官がいる手前、平静を装います。
調査官「この5回にわたって引き出されている1,000万円は、それぞれなにに使われたのかご存じですか?」
Aさん「いえ、私にはさっぱり……詳しいことはわかりませんが、趣味や飲み食いなんかで使ったんじゃないですか?」
調査官「ふぅむ、おかしいですね……先ほど、お父様は生真面目だから遊びや無駄遣いは見たことがなかったとおっしゃっていましたよね? それに預金の流れを数年分確認したところ、生活費でこのような大金を使い切れるとは思えません。正直にお話していただけますか?」
Aさん「……すみません。父がこっそり換気口の裏に隠していたみたいでして。私たちも父が亡くなってずいぶん経ってから発見したものなんですが……」
調査官「なるほど、そうだったのですね。しかし、調査までには把握していたということであれば、どうして相続財産に含めて申告していないのでしょうか」
Aさん「ええっ!? これも申告する必要があるんですか? そんなこと知りませんでした。故意じゃないです」
調査官「いやあ、それはさすがに無理がありますよ……」
Aさんは税務調査の結果、重加算税等を含め3,000万円もの追徴税を課されることに。きちんと申告した場合に比べ、はるかに多い金額です。「やっぱり、正直に申告していればよかったじゃない!」とAさんは母親から激怒され、うなだれるしかありませんでした。
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