400万円もらえるはずが…夫の浮気で離婚も「慰謝料ルール」知らず、想定外の請求棄却「何かの間違いでは?」【弁護士が解説】

400万円もらえるはずが…夫の浮気で離婚も「慰謝料ルール」知らず、想定外の請求棄却「何かの間違いでは?」【弁護士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

離婚をしたとしても、子どもとの面会交流や財産分与、慰謝料などについてそれぞれのルールをしっかりと把握し、取り決めをしておかないと後悔することになるかもしれません。離婚後、スムーズに実施できるよう、離婚が決まった段階で話し合っておきましょう。本記事では、離婚時に取り決めておきたい項目とそれぞれのポイントについてAuthense法律事務所の白谷英恵弁護士が解説します。

離婚が決まったら最初にやるべきこと…子どもの親権者の指定

離婚後必要な親権指定と養育費の協議
[図表2]離婚後必要な親権指定と養育費の協議

 

離婚をした場合は、子どもの親権を指定する必要があります。法律で定められた親権の内容としては、

 

・財産管理権

・身上監護権

 

があります。どちらも親としての権利ですが、一方で、親の義務という側面もあります。

 

民法で親権について定められていること

親権は父母が共同して行使することが原則です(民法818条3項)。しかし、離婚してしまうと、いずれかが親権を持たないといけません。そのため、どちらかが親権を持つことをまず協議で決めることが離婚においては最初にやるべきことといえます。

成人するまで毎月いくらもらえる?子どもの養育費

子どもの親権者が決定したら、その後は養育費を取り決めます。一般的に養育費の相場は、夫婦の年収、子どもの数や年齢によって変動します。養育費は夫婦間で話し合って設定しますが、話し合いや調停で決まらなかった場合は、養育費算定表を重要な指標として、裁判官が決めることになります。

 

算定表以上の金額をもらえるケースも

養育費算定表が、養育費の相場とされていますが、算定表に基づいて計算された以上の金額をもらえるケースがあります。たとえば、算定表では子どもが公立中学、高校に進学することを想定して計算されています。そのため、子どもが私立中学や高校に通学する場合には、特別な事情として養育費の加算が認められることがあります。

老後に不安な年金分割について

離婚をした際に分割できるのは、財産だけでなく年金も同様です。年金分割は制度として認められており、平成19年4月から運用がはじまっています。

 

分割できるのは厚生年金

離婚における年金分割の対象となるのは厚生年金です。そのため、配偶者が国民年金のみに加入していた場合は年金分割できません。そのため、自営業や非正規雇用といった厚生年金に加入していない場合は、年金分割できません。ただし、自営業だとしても、会社組織の常勤役員としての報酬があれば厚生年金に加入しているので、その部分は分割対象となります。

 

年金分割には3号分割と合意分割の2種類がある

年金分割には3号分割と合意分割の2種類があり、それぞれ以下のように異なります。

 

<合意分割>                    

・離婚日:平成19年4月1日以降    

・夫婦の合意:按分割合に関しての合意が必要

・分割対象期間:婚姻期間

・分割割合:2分の1(上限)

・請求期間:原則離婚日の翌日から2年以内

・対象者:第3号被保険者だけでなく第1号、第2号でも対象

 

<3号分割> 

・離婚日:平成20年5月1日以降

・夫婦の合意:不要

・分割対象期間:平成20年4月1日以降の婚姻期間で第3号被保険者だった間

・分割割合:2分の1

・請求期間:原則離婚日の翌日から2年以内

・対象者:平成20年4月1日以降の婚姻期間で第3号被保険者だった期間がある者のみ

 

いずれの分割にも共通することとして、原則として、離婚日の翌日から2年以内に請求しなければ分割は認められないので注意しておきましょう。

 

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