(※写真はイメージです/PIXTA)

ハリス優勢と報じられていた米大統領選挙は、ふたを開けてみればトランプの圧勝。対中関税リスクが叫ばれつつも、堅調なマーケット……こうしたなか、「専門家」と呼ばれる人たちの信頼性に疑念を抱いている人が増えています。そこで、フィデリティ・インスティテュート主席研究員でマクロストラテジストの重見吉徳氏が、情報収集の心構えとともに、足元の市場から推測される「年末にかけての相場リスク」について詳しく解説します。

レポとは②外銀とヘッジファンドの投資手法

次に、日本や欧州など、米国以外の外国銀行も、前述の証券会社と似た立場です。すなわち、外銀は、貸出の機能は持っていますが、支店網がないため、貸出先は限定されるほか、家計や企業の預金口座も持っていないため、預金はありません。そこで、買い入れる米国債を担保に資金を借り入れるレポが用いられます。ちなみに、レポ以外にも、自国通貨を担保に米ドルを借り入れる通貨スワップ/デポ・スワップがあります。

 

そして、ヘッジファンドは、投資家と自分たちにとってのリターンを高めるために、投資家から集めた資金を、その何十倍分の金額の(たとえば)米国債に投資します。

 

典型的な例では、ヘッジファンドは、多額の米国債先物を売り、多額の現物米国債を買って、両者の価格差(理論値への収束)を得るような裁定取引を行います。裁定取引は、利幅が薄いため、取引額/ポジションを増やさなければ、投資家に対して目標リターンを提供することができません。

 

このとき、ヘッジファンドは、最初に投資家から集めた資金(=資本)で米国債を買い、買った米国債を担保にお金を借りて(=負債)、新たな米国債を買い、その米国債を再び担保にお金を借りて、新たな米国債を買い……」といったふうにして、買い持ち額をどんどん膨らませていきます。これはレバレッジと呼ばれます。

 

多くのヘッジファンドは、レバレッジをかける分(=借り入れによって投資金額を膨らませる分)、投資家に高いリターンを提供することを生業としています。

 

次ページ足元でレポ金利に上昇圧力

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