もっと早く知ってれば…障害基礎年金を受給中の35歳男性、付加保険料納付のために手続きへ行って唖然。年金事務所の窓口で言われた〈スンとしたひと言〉の内容とは?【CFPが解説】

もっと早く知ってれば…障害基礎年金を受給中の35歳男性、付加保険料納付のために手続きへ行って唖然。年金事務所の窓口で言われた〈スンとしたひと言〉の内容とは?【CFPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

ケガや病気などで一定の障害の状態になり、要件を満たすと障害年金を受給できます。ただし、障害年金を受給している場合に注意しておきたい点があります。今回は幼い頃からの病気が元で障害年金を受け取ることになった昭夫さん(35歳)のケースを紹介しながら、CFPなどの資格を持つトータルマネーコンサルタントの新井智美さんが、障害年金を受け取る際の注意点などについて解説します。

障害基礎年金を受給している場合は、保険料の支払いを免除できる

昭夫さんは障害年金の受給手続きを自分で行い、申請して3ヶ月後に認定を受けて障害年金を受け取り始めました。

 

その後も国民年金保険料を支払い続けていたのですが、35歳になったときに受け取れる年金額を少しでも増やしたいと思い、付加保険料を納付することを考えました。その手続のために自治体の窓口に行くと、「障害年金を受け取っているなら国民保険料の支払いは免除されるはずですが……」といわれビックリしました。窓口の人に「年金事務所で確認してみてください」といわれ、年金事務所に行くと「確かに免除になりますね。これから手続きをします」とのこと。

 

障害年金の受給申請の際にはそんなことは一言も説明がなかったため、昭夫さんが不信感を抱いたのも当然です。「申請の際にはそんな説明はなかったですが……」と聞くと、「管轄が違いますので」と他人事のような回答。結局昭夫さんは手続きを行い、認定された日を含む前月の保険料から今まで払った保険料を全て返還してもらいました。

 

実は障害年金2級以上の人は、申請することで国民年金保険料の支払いを免除してもらえるのです。これを法定免除制度といいます。

 

もしかすると、障害年金を受け取っている人の中には昭夫さんと同じように知らずに国民年金保険料を払っている人もいるかもしれません。

 

ただ、法定免除制度を受けた場合で65歳から老齢基礎年金を受け取る場合は、追納しなければ満額はもらえないため注意してください。ちなみに免除されている期間の老齢基礎年金の額は2009年3月以前の期間は1ヶ月を3分の1として、2009年4月以降の部分については1ヶ月を2分の1で計算します。

 

また、法定免除制度が設けられているのは国民年金だけです。障害年金を受給しながら働いている人は厚生年金保険料については払わなければなりません。

 

65歳からの年金の受け取り方

年金は1人1年金が原則です。ただし、支給の事由が異なる年金はいずれか1つを選択できます。例えば「老齢」と「遺族」、「老齢」と「障害」などの場合、障害基礎年金と老齢厚生年金の受給を選択できます。

 

法定免除制度を受け、65歳の年金受け取り開始時点でも障害基礎年金を受け取っている場合は、そのまま障害基礎年金を受けとるか、老齢基礎年金を受け取るかを選べます。

 

昭夫さんは現在の病状が改善される可能性は低いと感じており、65歳以降もそのまま障害基礎年金を受給し続け、厚生年金部分はこれまで加入していた期間に応じた老齢厚生年金を受給しようと考えています。

 

 

新井智美

トータルマネーコンサルタント

CFP

 

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