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相続税申告を依頼する税理士が「書面添付制度」を利用すると、依頼主である相続人にはさまざまなメリットがあります。一方でデメリットも。相続専門税理士が解説します。

相続税申告で書面添付制度を利用するデメリット

相続税申告において税理士が書面添付制度を利用すると、依頼者である相続人には以下のようなデメリットが考えられます。

 

〈書面添付制度を利用するデメリット〉

1.相続財産について税理士に細かく調べられる

2.書面添付制度の利用は追加報酬になる税理士が多い

3.形式的な書面添付は逆効果になる

 

1.相続財産について税理士に細かく調べられる

書面添付制度では、申告書類に記載されている相続財産の調査や検討過程について、税理士が正確に添付書面に記載して申告を行います。

 

正しい相続税申告書を作成するためには様々な検討や調査を行う必要があるため、税理士から相続財産等について細かく調べられます

 

たとえば…

 

●被相続人が管理していた名義預金があるか

●過去に贈与があったか

●他に相続財産があるか

 

そのため、被相続人だけではなく、相続人の銀行口座の入出金記録など、相続財産についての資料を準備して提出する必要もあるでしょう。

 

逆に「相続財産は預金5,000万円のみです。通帳等の資料を提出したくありません、口頭で申し上げた5,000万円という数字で申告書の作成をお願いします」といわれても、税理士としては正しいという確証を得ることは難しく、書面添付制度を利用して申告業務を引き受けることは難しくなります。

 

2.書面添付制度の利用は追加報酬になる税理士が多い

相続税申告の際に書面添付制度を利用する場合、通常の税理士報酬とは別に「追加報酬(オプション料金)」を請求する税理士(や税理士法人)が多いです。これは冒頭で紹介したとおり、書面添付を利用すると税理士の責任が重くなり業務量も増えるためであり、追加報酬自体は悪いことではありません。

 

ただ、書面添付制度をオプションの追加報酬として用意されていると、税理士の基本報酬が安いように見えても、最終的に税理士へ支払う報酬の総額が膨らんでしまうこともあります。気になる人は依頼前に「書面添付制度は適用できますか? 基本報酬の中に含まれていますか?」と確認すると良いでしょう。

 

3.形式的な書面添付は逆効果になる

税理士によっては、相続税申告の際に書面添付制度を利用することが、逆効果になることもあります。冒頭の通り、書面添付制度の利用は税理士の業務量が大幅に増えてしまうため、中には「形式的」にテンプレートのような内容だけを書面に記入する税理士も少なからずいるのです(しかも追加報酬は発生)。

 

そもそも書面添付制度は「税理士がしっかりと検討して相続税の申告書類を作成」することで、税務調査の確率が低くなるなどのメリットを得られる制度です。形式的に書面添付制度を利用しただけでは逆に税務調査を呼び込みやすくなり、何の意味も成さないケースもあるということは覚えておきましょう。

 

結局は、相続税申告を依頼する「税理士選びが大切」です。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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