「謝らないことが癖になっている」部下や後輩にイライラ…素直に謝れるよう導く“最良の諭し方”【アンガーマネジメント協会代表理事が解説】

「謝らないことが癖になっている」部下や後輩にイライラ…素直に謝れるよう導く“最良の諭し方”【アンガーマネジメント協会代表理事が解説】
画像:PIXTA

謝るべき場面で謝らない人を見て、「どうして謝らないの?」とイライラしてしまった経験はないでしょうか。「謝ること=負け」と思い込み、謝罪を避ける人もいますが、その態度は誤解を招き、信頼を失う原因となります。本稿では、研修講師として25万人以上にアンガーマネジメントを指導してきた戸田久実氏の著書『アンガーマネジメント大全』(日経ビジネス人文庫)から、謝らない相手に上手に謝罪の必要性を伝え、ストレスを減らし、トラブルを避ける最善策を一部抜粋・編集して紹介します。

「謝ること=負け」ではない

Q:謝らない相手にイライラしてしまいます

A:「ここは謝るところだよ」と伝えてあげよう

 

謝罪をしない相手には、どうして謝らなくてはいけないかという理由を添えて、謝罪したほうがいいということを伝えてあげましょう。

 

「謝ることで、自分が相手に負けた気がする」「自尊心が傷ついてしまう」と、思い込んでいる人がいます。ところが、何かしてしまったあとにその人がどんな態度をとるのかというところは、思っている以上に見られているものです。

 

自分に非があるのにいつまでも謝らない人を見ていると、「え? どういうこと?」と腹が立ってきてしまいますね。そのまま放置していると、「この人には謝らなくていい」「そのままやり過ごせる」と勘違いし、謝らないことがクセにもなってしまいます。直接言える相手であれば、ひと言「ここは謝るところだよ」と教えてあげてもいいでしょう。

 

お客様やチームの人たちなど、迷惑をかけた相手には「ごめんなさい」「申し訳ないです」と言うように伝えましょう。後輩や指導しなくてはいけない相手に伝える場合には、ただ責めるだけでは相手がへそを曲げてしまうこともあるかもしれません。

 

注意をするときには、どうして謝らなくてはいけないかを併せて伝えてください。まず、ミスをしたり迷惑をかけたりすることは誰にでもあるものだということ、ミスや迷惑をかけることすべてが悪いわけではないということを共有します。そして、謝らないことで、その人にどんなデメリットがあるのかを諭すのです。

 

「迷惑をかけたらすぐに謝ろう。そうしないと、反省していないと思われたり、わかっていないと誤解をされたりしてしまうよ」

 

「そのあと、あなた自身の仕事がしづらくなってしまうよ」

 

「お客様が納得しなかったら、このあとの仕事ができないよ」

 

このように、できるだけ、具体的に何がいけなくて、どうしたほうがいいのかを織り交ぜたほうがいいでしょう。

 

言うべき相手かどうか見極めることも重要

また、謝罪したほうがいいことを伝えなければいけない相手なのか、求めても仕方がないと思う相手なのか、見極めることも重要なポイントです。

 

たとえば、仕事などで関係が続いていく相手の場合は、今後の業務にも支障をきたすので、「今後のためにこれからも付き合っていきたいから、謝れるように直してほしい」と伝えたほうがいいでしょう。

 

一方、付き合わなくてもいい相手であれば、余計な波風を立てず、何も言わずに少しずつ距離を置いていくこともできます。

 

相手が謝らないという事実が毎回心に引っかかっていると、だんだん不満がたまってきて、やがては「もういい加減にしてほしい!」と爆発してしまうこともあります。そうならないように、言ったほうがいい相手かそうでない相手かを見極めて、冷静に伝えることがおすすめです。

 

 

戸田 久実

アドット・コミュニケーション株式会社代表取締役

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事

 

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戸田 久実

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