想定シナリオと相場観
メインシナリオは自民単独での過半数をぎりぎりで確保するというものだろう。そうなった場合、石破政権は存続し、掲げた公約の実現に向けて政策を推進していく。資産運用立国など岸田政権の方針を継承するので、マーケットにとってはポジティブだろう。党の公約として物価上昇を上回る賃上げや、先端半導体や人工知能(AI)といった技術開発への国内投資の促進を明言した。悪い話ではないので、自民党の勝利が薄氷を踏むものであっても、政権の安定は株高につながるだろう。
それは自民・公明で過半数でも同じだろう。勝敗ラインとして与党で過半数と挙げた以上、それを上回れば勝ちは勝ちだ。たとえ自民単独での過半数割れでも自民党の惨敗は石破さんのせいかといえば、そうではないのだから石破さんの進退問題にはならず、むしろ党内での基盤固めに通じるだろう。
問題は与党で過半数を取れない場合だ。この場合、日経などの報道では、
1)無所属議員らを取り込んで過半数を上回る
2)それでも足りなければ、維新や国民民主党といった野党の中でも比較的考え方の近い党との連立政権
といった案が取りざたされている。野党の連携が進んでいないので、非自民の政権交代が起こる可能性はほとんどないが、いずれにせよ自民党の「議席の落とし方」がポイントになる。これから出てくる世論調査などにも留意していきたい。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
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