比・中央銀行「準備預金比率引き下げ」で予想される「莫大な経済効果」

9月30日週「最新・フィリピン」ニュース

比・中央銀行「準備預金比率引き下げ」で予想される「莫大な経済効果」
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週は、国内外の金融緩和政策により、活気付いてきたフィリピン株式市場の最新動向を中心に解説していきます。

フィリピン株式市場、年初来15%上昇

フィリピン株式市場は、年初、ASEAN地域内で最も低調な市場でしたが、現在では最も好調な市場となり、年初来で15%の上昇を記録しています。

 

フィリピン総合株価指数(PCOMP)は、6月の最安値から20%上昇しており、これは強気のシグナルと見なされています。また、8月15日にフィリピン中央銀行(BSP)が利下げを実施して以来、PCOMPは約11%上昇しています。

 

フィリピン中央銀行(BSP)利下げの恩恵を最も受けたのは銀行株で、市場をけん引しています。また、コングロマリット(財閥)や消費者関連株もキャッチアップを始めており、不動産セクターも一部でポジティブな反応が見られます。特にアヤラ財閥のAyala Landが注目されています。

 

さらに、7月以降、海外投資家の買いが増加しており、特にBSPの利下げ後には外国人買いが市場の主要銘柄のパフォーマンスに大きく貢献しています。そして、連日外国人の買い越しが続いていますが、外国人の保有比率は過去の水準と比べるとまだ低い状況です。

 

フィリピン株式市場全体の12カ月先のターゲットとして、アナリストのコンセンサスではフィリピン株価指数(PSEI)が8,319になると予測されています。そして、銘柄ごとの上昇余地に関して、フィリピンの老舗証券会社・ABキャピタル証券では以下の見解を示しています。

 

年初来パフォーマンスが良好な銘柄で、さらなる上昇の余地がある銘柄として、Converge ICT Solutions (CNVRG:通信)、Monde Nissin (MONDE:食品)、GT Capital Holdings (GTCAP:財閥)、AC Energy (ACEN:再生エネルギー)、PLDT Inc. (TEL:通信)を挙げています。

 

年初来で出遅れているが、上昇の可能性が高い銘柄としては、JG Summit Holdings (JGS:財閥)、Aboitiz Equity Ventures (AEV:財閥)、Universal Robina Corporation (URC:食品)、Bloomberry Resorts (BLOOM:カジノ)、Wilcon Depot (WLCON:小売り)、SM Prime Holdings (SMPH:不動産)、Ayala Corporation (AC:財閥)、Jollibee Foods Corporation (JFC:外食)、Puregold Price Club (PGOLD:小売り)、SM Investments Corporation (SM:財閥) を挙げています。

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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