品質や安全性に対する期待が高まるなか、顧客が選ぶ「サービス満足度1位」になった自動車ブランドは?【2024年日本自動車サービス顧客満足度(CSI)調査】

「J.D. パワー 2024年 日本自動車サービス顧客満足度(CSI)調査 ℠」より

品質や安全性に対する期待が高まるなか、顧客が選ぶ「サービス満足度1位」になった自動車ブランドは?【2024年日本自動車サービス顧客満足度(CSI)調査】
(※写真はイメージです/PIXTA)

米国を本拠とする国際的なマーケティングリサーチカンパニー、J.D. パワー(ジェイ・ディー・パワー)より、J.D. パワー 2024年日本自動車サービス顧客満足度(CSI)調査 ℠の結果が発表されました。 近年、車の先進技術の進化や搭載機能の拡充が進み、顧客の品質や安全性に対する期待は高まっています。そのような状況下、アフターサービスの領域ではリコールの問題が顕在化し、その対応にも厳しい視線が向けられています。満足度ランキングの結果と共に詳細を見ていきましょう。

入庫~納車プロセスにおける時間調整・対応品質の改善は、リコール対象顧客の不満解消に有効

リコールで入庫した顧客は、入庫の“2週間以内”に入庫日時が決まっている割合が53%と過半数で、全体(45%)を+8ポイント上回った。このことは、リコール対応で入庫した顧客は、実際の入庫から近いタイミングでの予約が多いことを示しているが、“入庫予約のとりやすさ“の評価をみると、リコール対象で入庫した顧客の評価は7.02であり、全体の7.23を大きく下回ることがわかった。


また、納車時においては、入庫から納車までの作業時間が「1時間以内」だったのは、全体では58%であったのに対し、リコール対象で入庫した顧客では39%と作業時間の違いが大きい。それに加えて、「作業が事前の予定よりも遅くなった」という割合でも、全体では7%であったのに対してリコールで入庫した顧客では11%と差がみられた。


さらに、納車時の対応面においても課題がみられた。リコールで入庫した顧客は、「担当者が一方的に説明をしていた」、「質問へ適切な回答をしてくれなかった」というネガティブな対応について、“まったくなかった“という割合がそれぞれ35%と46%で、いずれも全体より7ポイント低かった。


納車の満足度との関係をみると、ネガティブな対応が“まったくなかった“場合は、「担当者が一方的に説明をしていた」では802ポイントと全体を78ポイント、「質問へ適切な回答をしてくれなかった」では789ポイントと全体を65ポイント上回る高い満足度を得ている。リコール対象だった顧客は、ディーラーの担当者とのコミュニケーション面でのストレスが、満足度の低下を引き起こす要因のひとつとなっていたことがうかがえる。


リコール対象として入庫した顧客へのディーラーの対応は、入庫予約の取りやすさ、修理にかかる作業時間の長さなど通常の点検として入庫した場合に比べて、イレギュラーな対応が発生し、時間の調整に苦心している様子がうかがえる。また、担当者の説明の仕方や顧客の質問への適切な回答などでも課題が見受けられた。


リコールは顧客にとって想定外の事象と位置付けられ、マイナスイメージを持って入庫する者も少なくないだろう。ディーラーはリコール対応ということを念頭におき、基本的な説明や確認を着実に行うだけではなく、より顧客に寄り添う姿勢や丁寧で柔軟な対応を心がけることが重要である。

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