アレルギーや喘息のリスクも低減される
そして、アレルギーや喘息のリスクも低減されます。住宅の断熱性能を高めると、以前の住まいで、気管支喘息、アトピー性皮膚炎等の症状が出ていた人が、新しい住まいで症状が出なくなる「改善率」がより高くなることが明らかになっています。
その理由は、医学的には立証されていませんが、結露との関係が指摘されています。結露が起きると、どうしてもそこにカビが発生します。カビはダニの餌になるため、性能が低い家では、カビ・ダニによるアレルゲンが多くなってしまうのです。それが、高断熱化すると、結露が起きにくくなるため、家のなかからアレルゲンが減り、症状が改善されるといわれています(図表6・7)。
引違い戸はなるべく避けたい
では、新築時に窓はどのように選んだらいいのでしょうか? 最も重要なのは、窓の断熱性能であるU値を確認することです。概ね1.3前後の断熱性能であれば、窓に結露が起きることはほとんどなく、快適に過ごせると思います。
高断熱サッシは、樹脂窓が基本になりますが、最近は、アルミ樹脂複合窓でもこれくらいの断熱性能の窓も出ているので、それでもいいと思います。
窓のタイプについては、極力「引違い窓」は避けることをお勧めします。「引違い窓」とは、ガラス戸を左右にスライドさせて開け閉めするタイプの窓のことです。左右どちら側からも開閉可能で、日本の住宅で最も普通に見かける窓です。
ですが実は、他国ではあまり使われていません。日本では、不思議と「引違い窓」が当たり前のように選ばれていますが、それはお勧めできません。なぜなら、引違い戸は、【図表8】のように、気密性能の確保が難しいのです。
気密性能についてはここでは詳しくは触れませんが、要はすきま風のない家にするための性能です(関連記事:『日本の住宅に不可欠な「気密性能」だが…住宅メーカーが〈見て見ぬふり〉をするワケ』)。
新築住宅の建築コストが上がっているなかで、コストを抑えつつ高気密・高断熱化を図るのであれば、「FIX窓」を積極的に採用することをお勧めします。「FIX窓」とは、採光・眺望を目的としてガラスを窓枠にはめ込んだ開閉できない窓、いわゆる「はめ殺し窓」のことです。気密性能が高く、コストも割安です。
高気密・高断熱住宅に住んだことがない人には、なかなか理解してもらいにくいのですが、高気密・高断熱住宅では、あまり窓は開けなくなります。多くの季節で、窓を開けないほうが快適に過ごせるのです。
そのため、窓を開けての通風はそれほど意識しなくても大丈夫なので、採光・眺望を気密性能・コスト面を考えると、「FIX」窓はお勧めです。
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