※画像はイメージです/PIXTA

相続税の脱税と指摘を受けるのにはどういったケースがあるのか。また、相続税の脱税はそもそもいかにしてバレるのか。さらに、相続税の脱税がバレたらどうなるのか。相続税の脱税についてしていきます。

相続税の脱税がバレたら最悪の場合は刑事罰

相続税の脱税が知られたら、経済的な罰金としてのペナルティが科せられるばかりではなく、最悪の場合、刑事罰となり懲役刑になってしまうことも有り得ます。脱税は犯罪ですので、バレないだろうという軽い気持ちで脱税を行うと後で痛い目にあってしまいますので注意が必要です。

 

脱税か節税か…脱税とみなされるラインは

相続税という法律は難解で、黒→脱税・白→節税のようにはっきりと線引きができない、いわば「グレーゾーン」が存在することも事実です。脱税か節税かの線引きが非常にあいまいなことも実務の現場ではよくあることです。

 

たとえば、前述の名義預金のケースでは、被相続人が原資を拠出し子ども名義になっている名義預金は100%相続財産かというと、そういうわけでもありません。10年前に子どもに預金通帳を渡していて、実際、それ以降は子どもがその預金通帳の預金の管理や運用をしていた場合にはその10年前の時点で贈与が成立し、すでに贈与税の時効を迎えており、おとがめなしといったことも考えられます。

 

ただし、だからといって、10年前に子どもに預金通帳を渡していればOKというわけでもありません。実際の運用は被相続人が指示していたといった場合には、実質的には贈与が成立していなかったとみなされる可能性も十分にありえます。

 

この名義預金のグレーゾーンは、過去に裁判で争いになったケースも多々あり、いまだ明確な判断基準がありません。

 

脱税とみなされなくともペナルティはかかる

相続税の税務調査で、相続財産の申告漏れの指摘を受けた場合、それがすぐに脱税と見なされるわけではなく、さまざまな事情や状況を加味して税務署が判断を行います。

 

ただ、その結果「うっかり申告を忘れていた」とみなされた場合でもおとがめが一切ないわけではありません。その場合でも、過少申告加算税と延滞税といわれるペナルティがかかります。過少申告加算税については、本来納めるべき税金に加えその15%が追加でかかり、また延滞税については年利約3%の割合でかかってきます。

 

脱税とみなされたら重加算税、そして刑事罰もあり得る

「財産を意図的に隠していた」とみなされた場合には、相続税の脱税とみなされ、上記の述べたよりもさらに重いペナルティがかかってきます。重加算税といわれるもので、本来納めるべき相続税に加えて35%もしくは40%も追加でペナルティを支払わなくてはなりません。さらに、これに加えて、場合によっては刑事訴追を受ける可能性があることも忘れてはいけない点です。

 

たとえばこんな事例があります。父の遺産を隠して相続税を約9,000万円脱税したとして、相続税法違反の罪に問われ懲役1年6ヵ月、執行猶予3年に処された相続人である子どもの事例です。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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