※画像はイメージです/PIXTA

亡くなられた人から、お金や土地などの財産を受け継いだ場合、その受け取った財産に課税される「相続税」。ただ受け継いでも相続税がかからない財産があります。今回は、相続税のかからない「非課税財産」について解説していきます。

相続税がかからない4つの非課税財産

金銭的な価値がある相続財産には基本的にすべて相続税がかかります。ただし、例外的に非課税財産として相続税がかからない相続財産が法律で定められています。それを具体的に解説していきます。

 

1)墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物

●墓地 ●墓石 ●仏壇 ●仏具 ●仏像 ●神棚 ●庭内神し

 

上記のような、日常礼拝をしているようなものについては相続税がかからないことになっています。

 

ただし、骨董的な価値があるものや商品として所有しているものについては対象外となります。たとえば、「金の仏像」などのように仏像自体に価値があり売却し金銭に替えることができるようなものは通常通り相続税の課税対象となります。

 

判断基準としては、「売却して金銭にすることができるかどうか」と考えると分かりやすいでしょう。通常であれば、個人が日常礼拝をしているお墓や仏壇を第三者がお金を出して買うことは想定できません。

 

■庭内神しとは?

「庭内神し」とは、自宅などの敷地内にご神体を祭っている社等のことを言います。地方の名士のご自宅にはかなりの確率でこの「庭内神し」があります。

 

2)相続人が国や地方公共団体等に寄付をした相続財産

相続人が相続で取得した相続財産を寄付した場合、その寄付をした相続財産は非課税財産となり相続税の課税対象から省かれます。ただし、ただ、寄付をすればよいというわけではなく、寄付をする先に条件があります。

 

■寄付先として認められているところ

国、地方公共団体(市区町村等)、公益を目的とする事業を行う法定の法人のいずれかに、相続税の申告期限までに寄付をしたものが対象となります。なお、公益を目的とする事業を行う法定の法人とは、具体的には、ユニセフや日本赤十字、セーブザチルドレンなどが該当します。

 

3)非課税枠内で相続人が受け取る生命保険金

相続人が受け取る生命保険金は、

 

「500万円×法定相続人の人数」

 

の金額まで相続税がかからない非課税財産となります。

 

4)非課税枠内で相続人が受け取る死亡退職金

相続人が受け取る死亡退職金は、「500万円×法定相続人の人数」の金額まで相続税がかからない非課税財産となります。

 

その他の非課税財産

なお、上記の4つ以外に下記のようなものも非課税財産として列挙されていますが、ほとんどの人に関係がない事項となりますので、今回、詳しい説明は省略します。

 

●宗教、慈善、学術、その他公益を目的とする事業を行う一定の個人などが相続や遺贈によって取得した財産で公益を目的とする事業に使われることが確実なもの

●地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人又はその人を扶養する人が取得する心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利

●個人で経営している幼稚園の事業に使われていた財産で一定の要件を満たすもの

次ページ「相続税の非課税財産」を活用した節税対策

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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