フィリピン中央銀行、さらなる「政策金利引き下げ」を実施…株式市場への影響は?

8月26日週「最新・フィリピン」ニュース

フィリピン中央銀行、さらなる「政策金利引き下げ」を実施…株式市場への影響は?
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週はフィリピン中央銀行の利下げ開始に伴い、株式市場や銀行融資にどのような影響が考えられるのか解説します。

フィリピン「政策金利引き下げ」で「銀行融資」はどうなる?

フィリピンの中央銀行(BSP)が政策金利をさらに引き下げると予想されているため、2025年には銀行融資の伸びが加速するというS&Pグローバル・レーティングの見解が示されました。

 

S&Pグローバルは、2024年の融資の増加は緩やかに進み、その速度は非常に遅いだろうとしています。政策金利が来年には5%まで引き下げられると予測しており、融資成長の本格的な回復は2025年になると見込んでいます。

 

先週、中央銀行の政策委員会は政策金利を25ベーシスポイント(bps)引き下げ、6.5%から6.25%にしました。これは17年来の高水準からの引き下げです。BSPのレモロナ総裁は、10月または12月にさらに25bpsの利下げの可能性を示唆しています。フィリピンでは通常、政策金利は3%前後のため、25bpsの利下げがあっても、6.25%という政策金利は依然として通常の3%と比較して高い状態です。

 

フィリピンの融資の伸びは、パンデミック前には年平均10%から12%で推移していましたが、2023年には約7%から8%にとどまりました。その原因は政策金利が高かったためです。

 

中央銀行は2022年5月から2023年10月にかけて、インフレを抑えるために政策金利を合計450bps引き上げました。BSPの最新データによると、6月の銀行融資は前年比10.1%増加し、12.09兆ペソに達しました。この6月の成長率は5月と同水準で、2023年3月の10.2%以来の高いペースです。また、融資の伸びのパターンが変化しつつあります。フィリピンの銀行は大口法人向け融資を維持しつつ、高リスクで高収益な消費者向け融資を約2倍の速度で拡大しています。

 

現在のフィリピンの不良債権比率(NPL)は約3%ですが、消費者向け融資の不良債権率はその2倍に達しています。6月の銀行業界の不良債権比率は3.51%で、5月の3.57%からわずかに改善しましたが、5月の比率は過去2年間で最も高い水準でした。フィリピンの銀行は収益性を向上させるために消費者向け融資を増やしていますが、その過程で不良債権のリスクも増加しています。

 

杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>

 

注目のセミナー情報

【国内不動産】12月25日(水)開催
フルローン×1都3県・駅チカ物件で利回り7%超×買戻し特約で投資家殺到!
「カインドネスシリーズ」年末特別説明会

 

​​【海外不動産】12月26日(木)開催
10年間「年10%」の利回り保証・Wyndham最上位クラス
「DOLCE」第一期募集開始!

 

​​【事業投資】12月26日(木)開催
年利20%の不動産投資の感覚で新しい収益の柱を構築
ブルーオーシャン戦略で急拡大!
いま大注目のFCビジネス「SOELU」の全貌

 

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧