連れ子と離縁する方法
元妻(夫)の連れ子と離縁するには、どのように手続きを進めればいいのでしょうか?
1.話し合いによる離縁
離縁は当事者が直接話し合う方法でできます。「協議離婚」と同じようなイメージです。
ただし相手(連れ子)が未成年の場合、未成年本人は縁組解消を決定できません。連れ子本人と話し合いをするのではなく、法定代理人(親権者)である元妻と話し合いを進めましょう。連れ子が成人していれば、連れ子本人と話し合います。
お互いが離縁に納得したら「離縁届」を作成し、当事者(養親と法定代理人)が署名押印して役所に提出すれば、縁組を解消できます。
2.離縁調停
相手と話し合いをしても離縁に応じてもらえない場合には、家庭裁判所で「離縁調停」を申し立てる必要があります。これは家庭裁判所の調停委員を介して相手との間で離縁の話し合いを進める手続きです。離婚調停と同じように理解するとわかりやすいでしょう。
「妻とは離婚が成立しており、連れ子と何の関係もなくなっているので縁組を解消したい」という希望を調停委員に伝えれば、調停委員から相手を説得してもらえるケースが多数です。相手が離縁解消に納得すれば、調停によって離縁できます。
調停が成立したら家庭裁判所から「調停調書」が送られてくるので、それを役所に持参して離縁届を提出すれば、戸籍上も親子関係を抹消してもらえて法律上の親子関係を解消できます。
3.離縁訴訟
調停はあくまで話し合いの手続きなので、相手に離縁を強要することは不可能です。どうしても相手が離縁に納得しなければ調停では解決できず「不成立」となって打ち切られます。
離縁調停に失敗したら、離縁訴訟(裁判)によって離縁を認めてもらうしかありません。ただし訴訟で離縁が認められるには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
・悪意の遺棄をされた
親子の関係を破綻させる意図で、相手を見捨てることです。養親は通常連れ子を扶養すべき義務を負うものですから、連れ子から悪意で遺棄されることは考えにくいです。
・相手が3年以上、生死不明
連れ子が3年以上生死不明の状態が続いていたら縁組を解消できます。
・その他縁組を継続しがたい重大な事由があるとき
たとえば連れ子が養親にひどい暴力を振るう場合などには、縁組を継続し難い重大な事由が認められます。
離縁訴訟によって離縁を認めてもらおうとすると上記の要件を満たす必要があるので、かなりハードルが高くなります。離縁はできれば調停までの段階で成立させることが望ましいといえます。
なお離縁訴訟を起こしても必ず判決になるとは限らず、途中で裁判官の勧告によって和解が行われるケースもあります。和解であれば当事者の合意によって離縁できるので、上記の離縁の要件を満たす必要はありません。
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