前回は、「リピーターの客」だけで会社の経営を回す方法を紹介しました。今回は、なぜ企業の「ブランド価値」を高める必要があるのか、その理由を見ていきます。

ブランド価値が上がれば、優位なビジネス展開も可能に

起業した以上、自分たちの会社のブランド価値を高めたいと誰でも思うのではないでしょうか。私もそう思います。

 

ブランド価値が上がれば当然優位なビジネス展開もできますし、社員だって誇りが持てるはずです。ブランド力を持ちその価値を上げていくことは私の仕事の中で大きな大きなテーマです。

 

一足飛びに手に入るものではありませんが、私たちの場合は、〝『まごの手宅配便』の会社〞〝まごの手さん〞として地域の人たちに認知をしていただいています。正式な社名ではありませんが、商品やサービスの名前で知っていただくのでも全然問題ないと思っています。

商品名を社名にして、ブランド強化に成功した例も

先日、自動車メーカーの富士重工業が、社名を「株式会社SUBARU」に変更することを発表しました。社名変更にあたって、富士重工業の社長がインタビューで、こんな話をしています。

 

かいつまんで紹介すると、「海外出張に行くと、Fuji Heavy Industries(富士重工業の英語名)と言ってもわかってもらえない。ところが、スバルの会社だというと『あのスバルの会社か!』という反応が返ってくる。それなら社名をスバルにして、ブランドを磨こうと思った」とのこと。

 

つまり、主力商品である「自動車のスバル」のほうが「富士重工業」より知名度が高いため、ブランド強化をするには社名を商品名に合わせるのが有利だとの経営判断を下したようです。

 

富士重工業は自動車以外にも航空宇宙や産業機器などの事業を展開しており、今回の社名変更はかなりの勇気が必要だったと推察します。しかし、「スバル」を前面に押し出すことで得られるメリットも大きいはずです。少しでもこの勇気を見習いたいものです。

 

我々は今のところ、社名を変更する計画はありませんが、それだけ自社のブランドが浸透しているという証拠ですから、愛称で呼んでいただくことは大歓迎です。そしてこのブランドを一地域で終わらせるのか全国に広げていくのかがこれからの勝負になります。

本連載は、2016年10月28日刊行の書籍『見込みゼロ客をヘビーリピーターに変えるスゴい営業の仕組み』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

見込みゼロ客を ヘビーリピーターに変える スゴい営業の仕組み

見込みゼロ客を ヘビーリピーターに変える スゴい営業の仕組み

武蔵原 一人

幻冬舎メディアコンサルティング

「受注が取れない」「売上も伸びない」「営業マンは辞めていくばかり」――負のサイクルを断ち切り、激化する顧客争奪戦を勝ち抜くカギとなる「見込みのない顧客をリピーターに変える仕組み」づくりを3ステップで徹底解説しま…

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