前回は、高齢者市場へのビジネス展開がうまくいくとは限らない理由を説明しました。今回は、「リピーターのお客」だけで会社の経営を回す方法について考えてみます。

考えるべきは「需要が途切れない」ビジネスモデル

会社の規模や業界にかかわらず経営的に成功している会社を見ていると、たいてい根強いファンがいてリピートだけでも十分会社が回っているように見えます。逆に、苦戦している会社は、常に新規顧客獲得ばかりでガツガツしているように見受けられます。

 

今、私たちが行っているビジネスモデルは、一度ご縁を持ったお客様にどうすればリピーターになってもらえるかという目的で、同じ新規開拓でもひと手間かけた集客方法からスタートしました。

 

「リピートだけで利益が出ている本物の会社」を目指して私たちなりに努力してきたことが今ようやく形となって結実し、収穫の時期を迎えています。

 

おかげさまで、今、売上は8割がリピーターによるものです。この数字を達成できている理由には、「リフォームを扱っている会社だから」というのがあることは確かです。リフォームはどのご家庭でも定期的に発生するもので、この10年で家のメンテナンスや修繕に1円もお金をかけていないお宅を探すほうが難しいでしょう。

 

リフォームの規模はまちまちですが、常に何かしら需要があって、お客様はいい営業マンと巡り合えさえすれば「じゃあ、やるわ」と決断します。「いつかやらないと、と思っていたのよね」「そろそろだなと思って、ちょうど主人とも相談していたのよ」とおっしゃるお客様が多いです。

 

物品販売などはお客様が買ってくれないと営業マンが損をしますが、リフォームの場合は逆で、買わないと損をするのはお客様です。修理やメンテナンスを先延ばしにしていると快適に暮らせませんし、放置すればするだけ後でリフォームするときに大がかりになり、費用がたくさん必要になってしまいます。

 

リフォームの営業マンは住宅をお持ちの方であれば必ず必要なものを販売しているのです。

 

「需要が途切れない」「受注が頭打ちにならない」という点で、リフォーム業界は非常に恵まれていると言えるでしょう。

目線を変え、様々な業界のビジネスモデルを観察

では、他の業種や業界ではリピーターだけで利益を出すのは無理かというと、きっとそんなことなどないと思います。周りを見渡すと、実際にリピーターだけで会社が回っている例はたくさん見つかります。

 

地元民に人気のビストロとか、マニアからの信頼が厚いヴィンテージ・ファッションの店とか、セレブが通う会員制スポーツクラブなど、探せばいくらでも目につきます。

 

まだまだ、「この手があったか」と思わず唸ってしまうような方法が出てくる時代です。アイデアが出尽くしているとは思いません。お客様目線や業界目線以外から見たときに何か新たな発見があるかもしれませんね。

 

自分で閃いたり答えを出すことができれば最高ですが、たとえ競合先が打ち出したことでも「なるほど」と唸ってしまうようなことに出逢えれば、それはそれでワクワクした気持ちにもなります。そしてまた力が湧いてくるものです。

本連載は、2016年10月28日刊行の書籍『見込みゼロ客をヘビーリピーターに変えるスゴい営業の仕組み』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

見込みゼロ客を ヘビーリピーターに変える スゴい営業の仕組み

見込みゼロ客を ヘビーリピーターに変える スゴい営業の仕組み

武蔵原 一人

幻冬舎メディアコンサルティング

「受注が取れない」「売上も伸びない」「営業マンは辞めていくばかり」――負のサイクルを断ち切り、激化する顧客争奪戦を勝ち抜くカギとなる「見込みのない顧客をリピーターに変える仕組み」づくりを3ステップで徹底解説しま…

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