スタート地点は同じだった大学同級生、30代で開いた人生の差
同じ大学の出身ということで、社会に出るまでのスタート地点は同じでも、その後の行き先や、人との出会いによって、各自の人生に差が開いている状況だと、佐藤さんはいう。
そのうちのひとりは、夫が外資系金融勤務。とても羽振りがよさそうで、態度の端々にも「上から目線」が感じられ、苦手意識を持っているという。
「アクセサリーは目立つブランド品ですし、住まいもタワマン。自分から自慢めいたことはいいませんが、私たちがちょっとお金のことを愚痴ると〈ウン、ウン〉と微笑みながら聞いていて、正直、印象悪いですよね」
もうひとりの同級生は、上司と相性が悪かったという理由で、新卒入社した会社を退社してしまい、数社の転職を経て、いまは自営業をしている。
「彼女は独身で頼る人もいないうえ、いつもお金がなくて本当に大変そう。たまに2人で会うときは、私がお茶やランチをごちそうすることもありました…」
その友人の口癖は「貧乏暇なし」。
「〈取引先に、いいように使われて大変。しんどい〉というので、〈アルバイトでも派遣でも、組織に属したほうが安心だよ〉〈また就職したら?〉とアドバイスしていました」
佐藤さんの言葉に笑顔でうなずき、「そうだね、どうしても厳しかったらそうする!」というものの、なかなか行動に移さない彼女に、佐藤さんは少しイライラしていた。