40歳未満の平均は782万円だが…厳しい状況にある人も多数
多くの人が老後資金の不安を持っている昨今。老後資産形成を促すため、政府も新NISA制度を導入するなど対策にに努めているが、「そんな先の話より、いまのサイフがピンチ!」という人たちも少なくないようだ。
総務省統計局の『家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)平均結果』によると、2人以上の世帯では1世帯当たりの貯蓄額は1,904万円。もっともこの数字は、多くの貯蓄を持つ高齢者世帯を含んでいるため、若年世代にとっては実感のもてない数字となっている。
貯蓄額を世代別に見ていくと、40歳未満の平均は782万円だが、70歳以上はおよそ2,503万円と大きな乖離がある。また、2人以上の世帯の貯蓄現在高階級別の世帯分布は、貯蓄現在高の平均値である1,904万円を下回る世帯が約3分の2(67.4%)を占めている。
「それぞれの家庭のお財布事情、なにかと話題に上りがちですが、自分の台所事情を馬鹿正直に話すのは避けたほうがいいですね…」
そう語るのは、30代会社員の佐藤さん(仮名)だ。
大学時代からいまもなんとなく交流が続いているグループがあり、2、3ヵ月に1回ぐらい集まって食事会をしているという。
「最初のころは、学生時代の延長といった話題が多かったのですが、結婚や出産する人が増えてきたら、だんだんお金の話題も増えてきまして…」
最近は、毎日の生活費のあれこれから、子どもの教育資金、住宅の購入資金など、お金の話ばかりだという。
「私の出身大学は、いわゆる中堅といわれているところ。平凡な学生だった私は、普通に就職活動して中小企業に入社しました。夫もそこの従業員です。世帯収入は700万円に届くかどうかといったところ。保育園のひとり息子を抱え、賃貸暮らしで、生活は正直カツカツです…」