今回は、通学などのために親からタダで借りた高級車は贈与税の対象になるのかを見ていきます。※本連載は、久野綾子税理士事務所の代表税理士・久野綾子氏の著書『相続貧乏になりたくなければ親子でこまめに贈与しましょう』(アチーブメント出版)の中から一部を抜粋し、贈与税の基本的な知識をQ&A形式で紹介します。

「あげます」「いただきます」の成立で贈与税が発生

 Q:親高級車通学しています。贈与税はかかりますか

A:贈与税はかかりません 

 

高級車であっても、親から車をタダで借りている時は(使用貸借といいます)、贈与税はかかりません。もちろん、親から車をタダでもらって通学しているよ、だと「あげます」「いただきます」が成立しているので、贈与税の対象となります。

 

娘が乗る車だから娘の名義にしておこう、というのは避けた方が無難です。もちろん、車を娘名義にしたからといってすぐに税務調査が入るわけではありませんが、お金を出す人の名義にしておく、というのは相続金持ちへの第一歩です。車は、タダでもらうのではなく、タダで借りる。相続金持ちは、贈与税がかからないように賢く車に乗っています。

110万円を超える婚約指輪でも贈与税はかからない

Q:結婚指輪をもらったら、贈与税はかかりますか

A:贈与税はかかりません

 

「結婚してください」

「はい、喜んで」

プロポーズとともにもらった、110万円を超える婚約指輪。

 

「永遠の愛を誓います」

結婚式でもらった、110万円を超える結婚指輪。

 

110万円を超える婚約指輪、結婚指輪をもらったら、受け取った女性が贈与税を払わなければならない・・・なんてことはありません。常識的な範囲内のプレゼントは贈与税の対象外です。

 

ただし、プロポーズとともに高級車をプレゼントしたといった場合には、常識の範囲を超えていますので、贈与税がかかる可能性があります。また、結婚式の時にもらう結婚祝いも、「個人から受けるお祝いなどの金品で、社会通念上相当と認められるもの」に該当するため、贈与税はかかりません。

本連載は、2014年11月29日刊行の書籍『相続貧乏になりたくなければ親子でこまめに贈与しましょう』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

相続貧乏になりたくなければ親子でこまめに贈与しましょう

相続貧乏になりたくなければ親子でこまめに贈与しましょう

久野 綾子

アチーブメント出版

2015年1月1日から始まる相続税法改正で、全国で急増する「相続貧乏」。しかし、こまめに正しい贈与を行うことで「相続貧乏」から「相続金持ち」に変わることができます。 贈与税は、年間110万円を超える金額をもらうとかかる…

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