今回は、親からもらった「結婚資金」は贈与税の対象になるのかを見ていきます。※本連載は、久野綾子税理士事務所の代表税理士・久野綾子氏の著書『相続貧乏になりたくなければ親子でこまめに贈与しましょう』(アチーブメント出版)の中から一部を抜粋し、贈与税の基本的な知識をQ&A形式で紹介します。

常識の範囲内なら、結婚の支度金に贈与税はかからない

 Q:親から結婚資金してもらったら、贈与税はかかりますか

A:贈与税はかかりません 

 

「娘が結婚! いろいろと準備しなくちゃ。家具にベッド、冷蔵庫・・・」親が娘の新婚生活の準備をすることに対して、贈与税がかかることはないのでしょうか?

 

結婚する時の持参金、支度金、嫁入り道具については、常識的な範囲内であれば贈与税はかかりません。ただし、「家具を揃えなさいね」と親からもらったお金で株を買ったよ、貯金したよ、といったように、常識的な範囲を超えてお金を渡すと、贈与税の対象となりますので注意してください。

 

贈与税がかかる、かからない、相続税がかかる、かからないに関係なく、相続争いの際には、支度金などとして贈与を受けた金額を特別受益(被相続人から受けた特別な利益)として計算する場合もあります。

家族旅行の際は、領収書類の保管も忘れずに

Q:家族旅行にったら、贈与税はかかりますか

A:贈与税はかかりません

 

息子夫婦・孫と一緒に三世代そろって旅行へ。旅行代金をおじいちゃんが払った時、息子夫婦や孫へ贈与とみなされて贈与税がかかる、ということはありません。

 

家族旅行で思い出を作りながら相続対策ができる、ある意味、究極の相続対策かもしれません。ただし、将来の税務調査で「家族旅行で使ったお金」という証明が必要になりますので、領収書やメモ等は残しておく方が無難です。

 

高齢となったことを理由に親の通帳を息子が管理するようになった時によく起こるのが、親の口座からの現金を引き出し。もちろん、介護費用や病院費用に充てるのは問題ありませんが、その残ったお金で自分たちだけ家族旅行に行くと、贈与税の対象となる可能性があります。

本連載は、2014年11月29日刊行の書籍『相続貧乏になりたくなければ親子でこまめに贈与しましょう』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

相続貧乏になりたくなければ親子でこまめに贈与しましょう

相続貧乏になりたくなければ親子でこまめに贈与しましょう

久野 綾子

アチーブメント出版

2015年1月1日から始まる相続税法改正で、全国で急増する「相続貧乏」。しかし、こまめに正しい贈与を行うことで「相続貧乏」から「相続金持ち」に変わることができます。 贈与税は、年間110万円を超える金額をもらうとかかる…

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