(※写真はイメージです/PIXTA)

家を買う際のコストはできるだけ少なくしたいもの。だからといって「マンションの管理費や修繕積立金は安いほどいい」と考えるのは危険です。というのも、安い裏には相応の理由があり、トラブルにつながる可能性もあるからです。今回は、不動産コンサルティング会社〈さくら事務所〉の創業者である長嶋修氏と〈さくら事務所〉の共著『マンションバブル41の落とし穴』(小学館)から一部抜粋し、マンション購入前に知っておきたい管理費や修繕積立金の問題をご紹介。リスクを回避するために選ぶべき「修繕積立金の積立方式」についても解説していきます。

修繕積立金の不足が多発…回避のポイントは「積立方式」

 

理由の一つは、計画を立てた時点より資材価格や人件費が高騰し、工事費用が値上がりしているから。加えて、修繕積立金の積立方式を「段階増額積立方式」にしたがために、計画通り資金を積み立てられないケースも目立ちます。

 

修繕積立金の積立方式には「均等積立方式」と「段階増額積立方式」の2通りがあります。前者は積み立てる金額が均等でずっと変わりませんが、後者は積み立てる金額が徐々に増えていきます。時間が経過すると、当初の2倍、3倍と上がっていくこともザラです。

 

新築マンションを販売する際、デベロッパーは顧客に物件のランニングコストを提示しなければなりません。マンションを買う人の大部分は、何でも安いほうがいいと考えるので、デベロッパーは販売促進のため、当初の積立額が少額になる段階増額積立方式で修繕積立金を提示する場合がほとんどです。

 

それを理解せずに買ってしまうと、入居後、おおむね5年に1度くらいのペースで修繕積立金の増額を通告され、面食らうことになります。

 

もっと悪いのは、本来引き上げられるはずの修繕積立金が、当初の金額のまま据え置かれて、そのままズルズルと時間が経過しているパターンです。段階増額積立方式で修繕積立金を値上げすることが決まっていても、値上げに反対する住民がいると合意形成に至らず、予定通りに修繕積立金を準備できなくなります。

 

普段、管理組合の活動に無関心でも、値上げに強く反対する人は一定数存在します。実際、工事費用として1億円かかる予定だったのに、修繕積立金が5,000万円しか準備できていない、などという事例も多くなっています。

 

そうなると、必要な工事ができないので大規模修繕は先送り、もしくは最低限の修繕でお茶を濁すことに。その後も修繕積立金を集められないままだと、ずっと必要な修繕が行われなくなり、管理不全の危険なマンションへと転落してしまいます。資産性も大幅に低下するでしょう。

 

こうした状況を考えると、マンションを選ぶ際には、修繕積立金を均等積立方式で徴収しているところを探すのがベスト。ただ、現実にはほとんどのマンションが段階増額積立方式を採用しています。そのため、新築マンションを買う際は修繕積立金がいつ、どれくらい増額されていくのか確認を。

 

また、中古マンションは新築よりも修繕積立金が高いのが一般的です。段階的に増額されていくので当然ですが、買う際には今後どれくらい値上がりするのか。また、どのタイミングで大規模修繕工事が行われる予定なのかも調べましょう。近々工事が行われる予定の場合、どの程度修繕積立金が積み上がっているのかもチェックポイントです。

 

なお、修繕積立金が高くなりがちなマンションの代表例はタワマンです。通常、大規模マンションは住戸が多い分、1住戸あたりの負担を下げやすいものですが、タワマンは工事の際の足場代などが高額になり、工期も長くなりがちだからです。タワマンを買う場合には、なおさら修繕積立金に敏感になるべきでしょう。

 

 

長嶋 修

さくら事務所 会長

 

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マンションバブル41の落とし穴

マンションバブル41の落とし穴

長嶋 修・さくら事務所

小学館

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