(※写真はイメージです/PIXTA)

家を買う際のコストはできるだけ少なくしたいもの。だからといって「マンションの管理費や修繕積立金は安いほどいい」と考えるのは危険です。というのも、安い裏には相応の理由があり、トラブルにつながる可能性もあるからです。今回は、不動産コンサルティング会社〈さくら事務所〉の創業者である長嶋修氏と〈さくら事務所〉の共著『マンションバブル41の落とし穴』(小学館)から一部抜粋し、マンション購入前に知っておきたい管理費や修繕積立金の問題をご紹介。リスクを回避するために選ぶべき「修繕積立金の積立方式」についても解説していきます。

「管理費や修繕積立金は安いほうがお得」という勘違い

共用設備が豪華だと管理費は高くなりますが、管理費は安ければ安いほどいい、というものでもありません。管理費が安いと、建物の維持・管理にかけられるコストが下がるため、快適に生活できなくなるリスクがあります。

 

マンションの管理費の全国平均は1㎡あたり200円程度ですが、200円を切っていたら値上げの可能性があるのでは、と警戒すべきでしょう。

 

最近は管理組合から管理会社に支払う委託費が上昇傾向。管理員や清掃員の人材確保が難しくなり、人件費などが高騰しているためです。委託費の値上げを要請されて受け入れたのに、管理会社からサービス内容の改悪を提案された管理組合の話もよく聞きます。

 

別の管理会社に乗り換えようにも、他社も大抵値上げしており、次が見つからないこともありがち。最悪の場合、どこの管理会社とも契約できず、マンションの管理を住民が担う自主管理の状態になりかねません。

 

あえて自主管理を選択している先進的な事例もありますが、なすすべなく自主管理になったマンションは、荒廃する可能性が高くなります。

 

また、このところ世間を騒がせているのがマンションの修繕積立金の問題です。修繕積立金は外壁塗装や給排水管工事といった計画的な大規模修繕工事、あるいは事故や災害などによる突発的な大規模修繕工事に備えるためのお金。日常経費には充当しないお金ですが、費用が多額になりがちなので毎月少しずつ積み立てて準備しておくのが普通です。

 

今、多くのマンションで問題となっているのは、修繕積立金の大幅な不足です。通常、大規模修繕工事は長期修繕計画(新築時に策定)に基づき、工事のタイミングや内容、費用がある程度決まっています。そこから逆算すれば、修繕積立金の大幅な不足など起こらないはずですが、なぜそのような事態が頻発しているのでしょうか。

 

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マンションバブル41の落とし穴

マンションバブル41の落とし穴

長嶋 修・さくら事務所

小学館

そのマンションは資産性を維持できるのか? こんな「マンション選び」をしている人は必読です! ・やっぱりマンションを買うなら新築が安心 ・立地や仕様が同じマンションなら安い方がお得 ・都市部の新築・タワマンの価…

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