みんながあなたと正反対の考えであろうとも、そのこととあなたの判断の成否とは無関係だ
前ページの話と共通しますが、投資の世界の成功者に「一匹狼」が多いのは、投資の判断が「会議を開き、みんなの意見を聞いて、多数決で決める」のとは縁遠いところにあるからです。みんなが賛成するようではイノベーションとは言えない、とはよく言われることですが、人の先を行きたいのなら7割賛成でも遅く、半分が反対するくらいでちょうどいいわけです。
投資の世界においては100人中99人が反対したとしても我が道を行く、というくらいの人のほうが成功を手にしやすいようです。牛田権三郎の『三猿金泉秘録』にこんな格言が載っています。
「万人が万人ながら強気なら、たわけになりて米を売るべし」「野も山も皆一面に弱気なら、あほうになりて米を買うべし」いずれも周りが「強気一辺倒」「弱気一色」の時に勇気を持って「売る」とか「買う」をすることで初めて成功者になれることを説いたものです。
ただし、みんなと違う行動をするためには条件があります。みんなが右に向かっている時に、たった1人でも左に向かうには「十分な知識と信頼できる判断という裏付け」が欠かせないというのがベンジャミン・グレアムの指摘です。
何が正しいか、どう行動すべきかは、多数決ではなく、自分で考え決めることなのです。
桑原晃弥
経済・経営ジャーナリスト
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