「大変、実家の屋根が壊れ、暴風雨にさらされている!!」
「父が倒れたことを知らせてくれたご近所の方が、〈昨日の暴風雨で、実家の屋根が大変なことになっている〉と教えてくれたのです」
男性の実家は、祖父の代から住んでいる瓦屋根の築古の日本家屋。季節外れの強風と豪雨で屋根瓦が吹き飛び、大量の雨が吹き込んだのである。
「〈家のなかが大丈夫か確認したほうがいい〉〈漏電があったら危ない〉といわれ、すぐに車で実家に向かったのです」
一目で屋根瓦の脱落がわかるほどのひどい被害だった。瓦の下に敷かれた木の板が傷んではがれており、室内もかなりのダメージが予想された。
玄関ドアを開けて中に入ると、熱気と湿気のこもったムッとした空気に、男性は思わず息を止めた。
葬儀後、預金通帳や実印などの貴重品は姉に預け、冷蔵庫は中身を捨てて電源を抜くなどはしていたが、不用品の廃棄までは手が回っておらず、ほとんど父親が生活していたそのままの状態で放置されている。
男性は被害状況を見るために、瓦がなくなった真下部分となる、2階の和室に足を踏み入れた。
「これはひどい…」
畳は雨水を吸ってブヨブヨになり、本棚の本も書類も水浸しで、一部は床に落ちていた。湾曲したふすまもびしょ濡れで、ゆがんでいるのがひと目でわかる。
男性は、ふすまをガタガタとゆすりながら動かすと、なんと、押入れから大量の雑誌がなだれ落ちてきた。
「なんだ、これは!」
恐らく、押入れの天袋に積みあがっていた雑誌が雨水を吸い、重さに耐えきれなくなって底が抜けたのだと思われる。
「こんな雑誌が、こんなにたくさん…!」
男性は、降りかかってきた恐るべき量の「いかがわしい雑誌」に思わず言葉を失った。
上述の「親と話したい“親の今後”にまつわる話題」のアンケートによると、会話が不十分だった具体的な話題については「遺品整理」が最多回答となり、遺品整理を経験した回答者の約7割の人が対応の大変さを感じているという。
親の死を経験した方に聞いた「親が生前のうちに十分に話し合えなかった話題」
家の片付けや遺品整理………44.2%
遺産や相続………41.5%
老後の医療や介護ケア………38.5%
老後の資金計画や経済面………36.5%
健康状態………35.8%
葬儀………35.0%
お墓や散骨………26.9%
介護施設への入居や住み替え………20.8%
特になし………2.7%
n=260 複数回答可
株式会社LIFULL senior(みんなの遺品整理)
「雑誌の件は、とても姉にはいえませんので、早急に業者を手配して片付けてもらいました」
「父親には〈始末しとけよ〉としか…」
年齢を重ねれば、いつ、どのようなことが起こるかわからない。気がかりなことは先送りせずに対処し、不安なことは身近な人に相談して都度解決しておくことが、何より重要だといえよう。
[参考資料]
厚生労働省『令和4年人口動態』
内閣府『令和5年版高齢社会白書』
株式会社LIFULL senior「親と話したい“親の今後”にまつわる話題」
\1月20日(火)ライブ配信/
調査官は重加算税をかけたがる
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
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