血のつながりはないものの、お世話になった人に財産を残したいと考える人もいるでしょう。相続人は血縁関係によって決まりますが、相続人以外の人に財産を残したい場合、どのような方法があるのでしょうか。本記事では、松尾拓也氏の著書『「おふたりさまの老後」は準備が10割』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・再編集し、このようなケースで活用したい「贈与・遺贈」について詳しく解説します。
相続人以外の人に財産を渡したいときに注意すべきポイント
いずれにしても、相続人以外の人に財産を渡したい場合、ポイントは次の3つです。
①遺言に記すなど事前の準備をしておかないと、法律で決まった相続人以外には財産を渡せない
②遺贈や死因贈与の場合は、贈与税ではなく相続税の対象となる
③税制面を考えれば、贈与(生前)よりも遺贈(死後)がおすすめ
子どものいない“おふたりさま”の場合、自分の財産を残してあげたい人が相続人とは限らないでしょう。自分が亡くなったとき、自分の意思で財産をあげたい人に渡すためにも、遺言書の作成は必須です。
Q. 遺産を寄付したいときは、どうすればいいですか?
A. 遺贈という形になるので、その旨を遺言書に記しておきましょう。
財産を特定の団体に寄付したいという場合も、前項で紹介した遺贈という形になります。遺言書を作成し、その旨を記しておきましょう。
代表的な遺贈先の団体
●特定非営利活動法人 国境なき医師団日本
●日本赤十字社
●公益財団法人 日本ユニセフ協会
●特定非営利活動法人 国連難民高等弁務官事務所
●公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン
●公益財団法人 日本自然保護協会
●公益財団法人 日本盲導犬協会
●公益財団法人 国際緑化推進センター
●認定NPO法人 カタリバ
●認定NPO法人 児童虐待防止全国ネットワーク
●全国の自治体
●介護施設等
●神社仏閣 など
「とくに財産を残したい人が思い浮かばない」という場合も、これらのような公益活動を行っている団体に遺贈をするという選択肢があります。
松尾拓也
行政書士/ファイナンシャルプランナー
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行政書士松尾拓也事務所代表、有限会社三愛代表取締役
行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家
行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家。行政書士松尾拓也事務所代表、有限会社三愛代表取締役。1973年北海道生まれ。
父親が創業した石材店で墓石の営業に従事する傍ら、相続や終活などの相談を受けることが増えたため、すでに取得していた行政書士資格を活かし、相続・遺言相談をメイン業務として行うようになる。信条は、相談者からの困り事に「トータルで寄り添う」こと。
家族信託や身元保証など「新しい終活対策」についても積極的に取り組み、ライフプランや資産管理などの相談に応えるためにファイナンシャル・プランナー、住み替えニーズなどの相談に応えるために宅地建物取引士の資格を取得。ほかにも家族信託専門士、相続診断士、終活カウンセラー、お墓ディレクター1 級、墓地管理士など、終活にまつわるさまざまな資格を取得する。
経営する石材店では、おひとりさまやおふたりさまに好評な樹木葬や永代供養墓、ペットと一緒に入れるお墓など多様なニーズに応える墓苑を運営している。また、インテリアに合うモダンな仏壇の専門店も開設し、現代のライフスタイルに寄り添うご供養を提案している。
さらに地域ぐるみで終活に取り組む必要性にも着目し、他士業の専門家と連携した終活サポートチームを結成。終活セミナーなどの啓蒙活動に取り組むとともに、地域の行政に働きかけて独居高齢者の終活情報登録制度をスタートさせるなど、多方面で活動の場を広げている。
一人ひとりの「ライフエンディングシーン」(人生の終末期)で、最も頼りになるパートナーとなるべく、全方位視点で積極的な事業展開を行っている。趣味は本と酒と旅、ちょっと古めのクルマとバイク、座右の銘は「遊ぶように仕事し、仕事するように遊ぶ」。普段から「サムシングエルス(何か別の価値)を提供する」ことを大切にしている。
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