前週の米ドル/円の振り返り
為替市場では、トランプ前大統領の円安けん制発言や、日銀による利上げ観測が高まったことで、日米金利差の縮小が意識されたことなどを受け、週を通じて円高米ドル安基調となりました。26日には、1米ドル=154.13円と19日(157.49円)に比べ、円高米ドル安となりました(図表1)。
8月第1週は、日米中銀会合や7月の米雇用統計などに注目
来週は、日銀金融政策決定会合やFOMC、米国で公表される7月の雇用統計などに注目しています(図表2)。
日銀が30日、31日に開催する金融政策決定会合では、前回6月の会合でアナウンスされたように、国債買入れに関する今後1〜2年程度の減額計画が公表されます。
日銀が19日に公表した「債券市場参加者会合」第20回議事録では、現状の月額6兆円程度の国債買入れ(図表3)に対して、「3兆円程度まで減額すれば、大幅な減額を行うというメッセージが明確となるほか、発行に対する買入れ比率も相応に低下し、市場機能度の改善が期待できる」などの意見が盛り込まれました。
6月会合後の記者会見で植田日銀総裁は、国債買入れの減額について「相応の規模になる」との見解を示すなかで、買入れを「3兆円程度」へ減額することが意識されるようなまとめ方となっており、どの程度の買入れの規模になるか注目されます。
市場の一部では、国債買入れの減額と同時に追加利上げに踏み切るとの見方もあります。Bloombergが22日に、「足元のインフレ動向が日銀のシナリオに沿って推移していることから、今会合での利上げに前向きな当局者もいる」といった主旨の内容が報じられたことが、背景にあります。
また、自⺠党の茂木幹事⻑が22日に、「金融政策を正常化する方向で着実に政策を進める、こういう方針をもっと明確に打ち出すことが必要だ」と発言したことや、河野デジタル相も円は安すぎるとして、利上げの必要性を指摘したことも、日銀による追加利上げを後押しするとの見方が広がっています。