将来、年金はもらえなくなるの?
積立方式と賦課方式の違い
みなさんは、「日本の年金制度は破綻する可能性が大きい!」「将来、年金額は大幅に減らされる!」などといった報道を見て、心配になっていませんか?
重要なのは、正しく知って、正しく備えることです。ここでは日本の年金制度について正しくみていきましょう。
日本の年金制度は、積立方式ではなく、賦課方式になっています(図表1)。
積立方式
将来のためにお金を積み立てて、それを受け取る仕組みです。でも、これだと40年50年といった長い年月の間にモノの値段が上がって、お金の価値が下がったときに対応しにくいというデメリットがあります。
賦課方式
現役世代が支払った保険料を高齢世代に年金として支払う仕組みです。そのときどきの物価や給与の水準に応じた保険料と年金額になるので、長い年月のお金の価値の変化にも対応できるというメリットがあります。
しかし、賦課方式でも、現役世代が減り、高齢世代が増える少子高齢化の影響は避けられません。そのため、厚生労働省は5年ごとに財政検証を行って、今後約100年間の年金財政の予測をして、結果を公表しています。
2019年の財政検証の結果を見る限り、年金制度の破綻や年金額の大幅減は、今のところそれほど心配する必要はなさそうです。とはいえ、20年後も30年後も安泰かどうかはわからないので、5年ごとの財政検証の結果は注目していきましょう。